変換 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

変換

今回はパソコン系のお話である。

詳しい人も詳しくない人も楽しめると思うが………。



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日付は8月22日(月)

浦野さんに電話をしたその晩である。


少々早めに仕事を抜けて自宅に帰る。

昨日撮った「サッシから侵入」のビデオ映像を連続写真にしなくてはいけない。

パソコンでの作業となる。

店にもパソコンが無い訳ではないが……家のほうが腰を据えてできるであろう。



帰宅。そして久しぶりにユミコとイチコとメシを喰う。


普段、ワタシの帰宅は9時頃である。

その為、家族と一緒に夕飯を取ることは数少ない。

帰る頃にはイチコは寝ていて……ユミコも大概一緒になって寝ている。


キッチンと冷蔵庫を漁り……。

ビールとつまみで夕飯を終えるのがいつものワタシのペースである。


たまにユミコが起きた時には、夫婦で一杯やりながら「少々豪華になったつまみ」にご満悦となるのである。



「夕飯をきちんと取りなさい」という声が聞こえてきそうであるが……。

ご安心を……飲食店ゆえ……時々摘んで食べている。



ユミコとイチコが風呂に入る。

ワタシはパソコンを立ち上げる……。


少しでも作業をしておこう……。


ケータイからメモリーカードを抜きパソコンのリーダーに挿す。

ファイルをパソコンに移動。

バックアップを2箇所に保存。

メモリーカードはそのビデオ映像で容量が随分圧迫されているので……削除。


「とりあえず一回再生してみるかー」とダブルクリックしてみる。


ウインドウズのメディアプレーヤーが立ち上がり…………エラー!!


「???」


皆目検討がつかない……。

一瞬「昨日と一昨日の出来事は全てパァか?」という不安が込み上げ……頭の中を走馬灯のように回る。


「いかんいかん!こういう時に落ち着け!!」と自分を言い聞かせてエラーメッセージを読む。


……なにやら「codec」なるものが未対応との内容。


ワタシ……パソコン詳しくないわけではない。

ウインドウズは95の時から使っているし……ビデオの編集や画像の編集も若干したことがある。

その都度様々な問題にぶつかりながら……自力で何とかしてきた。

だが……こんな切羽詰った状態で……このような問題にぶつかるとは……。


とりあえずネットで検索して「codec」なるものを拾う。

万が一、ウイルスを喰らうかもしれないので……今度は「侵入映像」をCD-Rに避難。

「codec」をインストール。


そして再び再生。


観れた……。

普通に観れた。


ただ……ケータイで録画したので縦長の作品になっている。パソコンでは横に倒して再生されている……。


「まぁ……写真にした時に方向を直せばいいか……。」

あとはこのビデオを細切れの写真にするだけである。

とりあえずユミコとイチコに合流して風呂に入る事にする。


風呂にて


ユミコ     「タロちゃんさー。今日早いよね。」

タロウ     「うん……。今日さ……昨日撮ったシロクロのビデオ映像をさ……編集せんと。」

ユミコ     「面倒なの?」

タロウ     「いま少しやってみたけど……。問題ないと思うよ。」

ユミコ     「どれくらいかかりそう?」

タロウ     「なんとも言えんけど……1時間くらいかな?」

ユミコ     「じゃ……イチコ寝かせる頃には終わるね……。」

タロウ     「たぶんね……。」


風呂を出て、3人でアイスを喰う。

イチコは裸で喰う。

ワタシはパンツで喰う。

ユミコは……パジャマである。


タロウ     「さ……。ちょっとやってみるわ。」

ユミコ     「あ……どうぞどうぞ。」


パソコンは寝室にある。

なにせ2LDKだ……パソコン専用の部屋などあるはずも無い。


今度はビデオ編集用のソフトを立ち上げる。


「侵入」ファイルを開く………………エラー!!


「???」


いじめか……?

エラーの内容を読む……。


「このファイルの形式"asf"には対応しておりません」


………参った……。

これは随分迂回せねばならない予想である。

頭をフル回転させる。


このソフトは家庭用のビデオを編集する時に使った……ならばハンディカムのファイル形式ならば

読めるという事だ……。

ならmpegはOKという事だな……。aviでもOKだ……。

……という事はasfをmpegかaviに変換すればOKなわけである。


フリーの変換ソフトをネットで探す……。


日本には無いらしい……。

英語のフリーソフトを拾う。

……英語……読むのは苦手だ……。


ワタシ……店が駅前にあり、「駅前留学」の先生達が日に2~3人はやってくるので話すのは話せる……

なんとかだが……日常会話程度であればなんとかなる。


適当に端折って読む。


インストールして使ってみる。

asfからavi変換だ。


…………………「encode is success」


お……無事完了の様子である。


ここまで既に30分以上経過………。


ユミコとイチコは「まだかー?」と言わんばかりの態度で暇つぶしをしている。

焦るワタシ………。


早速ビデオ編集ソフトで開いてみる……。


再生できた!!………がっ!!


画面中央にソフト制作者の名前が黄色い文字でデカデカと入っている……。


「???」


どうすりゃいいんだ?


もう一度ソフトの注意書きを読む……。

英語……。専門用語………パソコンが熱暴走する前に……ワタシの頭が熱暴走である。

そしてユミコとイチコも熱暴走しそうである。


どうやらお金を払って使用制限を解除しないと黄色い文字が入るらしい……。


困った……。


もう一度ネットで「文字の入らないフリーの変換ソフト」を探す。


ユミコ     「ねぇ……まだ?」

イチコ     「ねんねー……まだー?」


さらに焦りを後押しする……。


タロウ     「もうちょっとだから……。」


などと言ってみたが全然「もうちょっと」ではない……。

山登りに例えたら「まだ2合目」も行っていない……ふもとのお茶屋さんで足止め状態である。


新しいソフトをインストールしてasfからaviに再度変換…………エラー!!


……………。


更に新しいソフトを拾ってインストール………変換…………エラー!!


……………。


更に更に新しいソフトを拾ってインストール………変換…………エラー!!


……………。


お手上げである………。

半分涙目である………。


約束の1時間はとうに過ぎた……。

時刻は10時ちょっと前……。


ユミコとイチコももう限界である……。

頭から湯気が出ている様子である……風呂から出て随分経つのに……。


タロウ     「だめだ……。今日はもうやめて寝よう……。」

ユミコ     「私達が寝てからやれば?タロちゃん嘘寝して……。」


そんな事は既に考えている。

問題は「嘘寝」「本寝」になるという事だ。

こればかりはどうしようもない。


タロウ     「そうだね……起きれたらね……。」


3人で就寝……。


……………。


寝かかって思い出した。


タロウ     「あと10分だけ待って!」

ユミコ     「んぁ!……いいけど……10分だけだよ。」

タロウ     「ちょっと電話してみるわ。」

ユミコ     「だれに?」

タロウ     「プリ」

ユミコ     「プリ?」


ケータイのメモリーから「プリ」を探す……と同時にさっき落としたパソコンの電源を再度入れる。


タバコに火をつけケータイ片手にベランダに出る……。

呼び出し音が……3回……4回………。

                               変換 イラスト:

以下次号。