第二回口頭弁論---その1---出発 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

第二回口頭弁論---その1---出発

いつもの様にランチの激戦を戦い抜き、洗い物に追われる。

気が付くと時計はちょうど2時。


今日、嫁のユミコも前回と同様で傍聴に来る予定だ。

「2時過ぎに店に行くわー」との言葉どおりにユミコは2時数分過ぎに来た。

もちろんイチコを連れて…。


ユミコ     「あのさー。『太公望』の杉森のおばさんも行くってさ。」

タロウ     「そっか…。そりゃ心強いね」


『太公望』とは同じ町内にある飲食店だ。ワタシの店が昼中心の店に対して『太公望』は夜中心だ。

そしてこの「メダカ町」で長年営んでいる。まぁワタシの所よりは日が浅いが……それでも30年近くだ。


ユミコ     「あのさー。川畑さんってちゃんと来るのかな?」

タロウ     「なんで?」

ユミコ     「だってこの前の時にコテンパンだったじゃん」


まぁ「コテンパン」かどうかは「裁判官」の判断する所であって「ユミコ」の判断するところではない……。


タロウ     「そりゃ来るよ。頑張って準備書面作って来てるから…。」

ユミコ     「そっか。そういうことか…。」


そういうことである。


ユミコ     「今日も同じ事言うのかなー?『食べてます。食べてますよね?』って」

タロウ     「さぁ…。それはなんとも…。でも準備書面は『食べてます』だからな…。」

ユミコ     「じゃ『食べてます。食べてます』だ」


ちょっと節を付けて歌うように「食べてます」を繰り返す…。

例えるならそう…。

昔、「トムとジェリー」の劇中に出てくるインディアンの「ウホホ。ウホホ。」って感じだ。


ユミコ     「食べてます。食べてます。食べてます。食べてます……。」


イチコが大笑い。合わせて踊っている…。


タロウ     「あのー。営業中ですが…。」

ユミコ     「すんません…。」


とりあえず盛り上がるのを抑制しつつ、でもあまりのおかしさに肩の震えを制御できない様子のユミコ…。

イチコはエンジンがかかったように踊っている。


とりあえずイチコを制御する為、ユミコはイチコを連れてちょっと散歩に出た…。


そうこうしていると、杉森のおばさん登場。


おばさん    「こんにちはー。」

タロウ     「今日はすいません。わざわざ…。」

おばさん    「いいってことよ。タロウちゃんの一大事だ。見に行かずにいられるかい」

タロウ     「頼もしい限りです…。」

おばさん    「ところで私は見るだけなのかい?」

タロウ     「そうです。傍聴席からですから…。」

おばさん    「私、喋りたくなったらどうすんのさ!?。喋っちゃダメかい?」

タロウ     「ダメです。静かにお願いします。」


今にも噛み付きそうである。


おばさん    「何時に出る?」

タロウ     「そうですね…。3時半開廷なので、2時45分には…。」

おばさん    「随分早いね。」

タロウ     「20分前には行ってないとダメなんで。」

おばさん    「そうかい…。じゃ、あと30分あるね。………。ご飯頂戴。ランチ。」

タロウ     「はい。今日は豚のしょうが焼きと鯖の塩焼きですが…。」

おばさん    「うーん。迷うねぇ………。」

タロウ     「どっちにします?」

おばさん    「両方。」

タロウ     「………。はい。」


とりあえずランチのおかずを両方載せて一人前を作る。

決して2人前を食べているわけではない。

そのあたりは「杉森のおばさん」の名誉の為に敢えて書く。


ユミコとイチコが帰ってきた。

杉森のおばさんも食べ終わった…。


さて時計は2時40分。

ちょっと早いが出発することにする。



何度目になるか…。簡易裁判所。

到着までは約10分。

車中色々考えてみる。

「まぁ正直に話すだけだ」

結論はここである。


                                      第二回その1 イラスト:

以下次号。