第一回口頭弁論---その9---帰路 | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

第一回口頭弁論---その9---帰路

裁判が終わり1階へ降りるエレベーターを待っていた。


ユミコ     「なかなか来ないから階段にしよか?」

タロウ     「階段探すの面倒」

ユミコ     「そだね」


エレベーターが来て1階へ


すると先程の司法委員のおじさんが前から歩いてくる。

……。軽く会釈。ユミコも会釈。

司法委員のおじさん…。満面の笑みで会釈


笑うしかない。そんな感じだ。


まぁ、債権どうのこうのの裁判よりは少しは楽しめたであろうか?


外に出て駐車場に…。

…っお!川畑の車が停まってる。

ユミコも見つけた。


ユミコ     「どこに傷ついてんのさ?」


近寄るユミコ。

まあ原告の川畑は書記官と話をしているであろうから、まだ来ないであろう。


ユミコ     「に…しても洗車してないぞ!この車!」


確かに黒い車が真っ白だ。


ユミコ     「あ。足跡あるねぇ~」

タロウ     「これが消えるから洗車できないんじゃない?」

ユミコ     「足跡のところに傷……。ないねぇ~~~。」

タロウ     「ないね」


確かに無い。

よく考えてみる。

ネコを飼っている人ならすぐにわかるであろう。

ネコの足跡がはっきりと付くような場合IMAGE ネコは爪を出さない。


ネコが爪を出す場合は指を曲げた時である。よって足跡は肉球の中央部分が欠けるはずだ。

ネコがそのような状況で歩くであろうか?


多分歩かない。と言うより歩けない。


ユミコ     「じゃあさー。どっかにそれらしき傷が1~2箇所あるんじゃないの?」

タロウ     「そうかもな」

ユミコ     「たまたま傷のある場所をネコさんが歩いたらどうなんのさ?」

タロウ     「ネコが付けたっぽくなるわな」

ユミコ     「でもネコのせいじゃないでしょ。その場合。」

タロウ     「そうだな」


所詮、ネコが付けた傷かどうかを立証するのは不可能だ。

該当ネコを捕まえてきて足型と爪型を取り

車のボンネットに極細シリコンを流し型を取る。

警視庁の科学捜査班並の検証をしても実際証明できるかどうかわからないであろう。


あとはネコを尋問するしか方法がない。

その場合はニャウリンガルでも使うのであろうか?

海外で「バウリンガルを使ってイヌを証人にしようとした」と聞いたことがある。

その場合もダメだった。


ネコならなおさらダメであろう……。


タロウ     「川畑来るとややこしいから帰ろ」

ユミコ     「そうだね」


帰ることにした。

店に帰ればユミコはイチコの世話。

ワタシは明日の仕込みが待っている。


2時間…。余分に残業である。

                                  第一回その9 イラスト: