返却に行ってきた | 【実録】ネコ裁判  「ネコが訴えられました。」

返却に行ってきた

 いつまでも死んだウメキチジイチャンの書留を持っていても仕方がないので

簡易裁判所に行って返却してきた。

もちろん全部コピーは取ってから。

店に嫁のユミコが来たので裁判所に行くことにした。

ユミコ   「じゃイチコ連れてってね」

タロウ   「は?」

ユミコ   「は?じゃないわよ。だれが子守と店と両方できるのよ」


ごもっともである。

仕方ないのでイチコと車で出かけた。

裁判所に子連れで来るか?普通…。

殺伐としてるぞ裁判所…。

きっと教育上余りよくないと思うのであるが…。


車で10分。裁判所到着

---裁判所にて---


タロウ   「あのー。民事一課は?」

受付    「あぁ。2階ですよ」


受付の人も固そうな方である。

ま。2階の一課を尋ねた。


タロウ   「すんませーん」

一課の人 「はい。どういったご用件で?」

タロウ   「山田と申しますが…。」

一課の人 「あーはいはい。こっちにいらしてください」


なぜか既に話が通っている…。

死人被告の事件は既に一課では有名らしい。


一課の人 「じゃ。こちらが送られてきた書類ですね」

タロウ   「そうです。で、開封した理由書を書こうと思ったのですが、

        どう書けばいいかわからないのでこちらに来ました」

一課の人 「そうですよね…。ウチとしても稀なケースですから…。」


稀らしい。

でも家族宛の書留が来れば普通受け取るし開封するだろう。


一課の人 「じゃ。こんな風に雛形を書いておきましたから、書いてください」


随分素早い対応である


一課の人 「で。ここに印鑑をお願いします。」

タロウ   「あ。」


うっかりした。印鑑を忘れた。

裁判所のようなお上な場所に来ておいて、印鑑無しはかなり大きなペナルティーである。


タロウ   「印鑑忘れました」

一課の人 「じゃ。いいですよ。署名で」


結構融通が利くものである。

稀なケースだからかもしれない。


というわけで、雛形通りに書くことにした。

膝の上のイチコがペンを欲しがる。


イチコ   「イーチャン。ジージ」


書類を書く気マンマンだ。

泣かれても困るので雛形の紙と使ってない赤ボールペンを渡しておいた。

一生懸命書いている。

こっちも一生懸命書いている。


書いた内容は次のようなものだ。


--------理由書--------


私、山田タロウは平成17年6月1日、祖父山田ウメキチ宛の書留を開封しました。


山田ウメキチは平成14年11月に死亡しております。


開封の理由は、現在も山田ウメキチ宛の書類が他にも届くこと。


よって本日、山田ウメキチ宛の書留を○○簡易裁判所に返却いたします。


                           山田タロウ

-------------------------


こんなかんじだ。


なかなか骨が折れる。

こういったマトモな文章を書いたのは、高校生の時にマージャンしていたことが先生にばれた時の

反省文以来だ。


イチコが限界である。遊び飽きた様子だ。


タロウ   「こんなかんじでいいですか?」

一課の人 「そうですね。大丈夫ですね」

タロウ   「で。ですね。」

一課の人 「はい?」

タロウ   「今後誰を訴えてくるんでしょうか?」


正直、聞きたくなる。84のハナバアチャンを被告にされたら可哀想だし

親父のハジメは口と人相が悪いので、それもある意味最悪だ。


一課の人 「誰を訴えてくるかは原告しだいですね」

タロウ   「指名って出来ませんか?」

一課の人 「聞いた事ないですね…。」


逆指名はダメらしい


一課の人 「まぁ。原告が誰を被告にしていいか分からなかったら…。連絡があるでしょう。」

タロウ   「はぁ」


そろそろイチコがMAXである。

ぐずられてもかなわないので、撤退することにした。


タロウ   「じゃあ。今日はこれで」

一課の人 「はい。おつかれさまでした」


イチコが爆発する前になんとか裁判所を出ることが出来た。

一階に「簡易裁判所相談センター」なるものがある。

たぶん手続きに関する相談をするのであろう。


待合室のようなところにヌイグルミがたくさん置いてあった。

子供を連れて訪れる人も多い様子だ。

世知辛い世の中である。

かく言うワタシもイチコを連れ立っているのだが…。


家(店)に帰り、事の顛末を家族に説明する。

かなり疲れた。

2~3日中に多分原告のほうに「ウメキチは死亡」という情報がはいると思う。

                                     返却 イラスト: