おふくろは電話を切った後、部屋中の窓を開け突然
掃除を始めた。
まだ、それほど体調は回復しきっていないはず。
それでも、ゆっくり入念にホコリを追い出し、窓の汚れや
床の汚れを拭き取る。
年末の大掃除以上に気持ちが入ってる。
まるで家とボクの身体をダブらせて、家中をキレイにする事で、
ボクの身体の病気を追い出せると願をかけてる様だ。
この願掛けは、夕方近くまで続いた。
またゴミを出しに家を出た時、ご近所さんにばったり会い、
数日留守にしていた事を心配された。
だいたい毎日漁に出てるおやじが漁に出ていない。
毎朝見かけるおふくろの姿が見当たらない。
何かあったに違いないって考えるのが普通だ。
知られるのをあんなに嫌がってたおふくろが
ご近所さんに全てを打ち明ける。
みんな、自分の家族の事の様に心配してくれる
優しい人たちばかりだ。
夕食時にひとりだから何も作ってないんだろうと想い、
おかずを差し入れに持ってきてくれる方もいた。
おふくろは、少し元気をもらえた気がした。