本屋が減った。

本郷に越してきて20年以上経つが、

本郷三丁目駅近辺の小さな本屋が2つ閉じた。

西側の白山通りに面した店は、

ビジネスサービスの業態と一緒になって複合化して存続している。

後楽園駅ビルの本屋は、昔ながらの文具と併設した店で、

いまでも開いている。駅立地だからだろう。

 

全国出版協会の調べによると、国内の書店数は、

2000年の21495店から

2020年の11024店へと

半減した。

ただし、売り場面積は変化していない。

小さな本屋さんが減り、大きな本屋は増えている、ということだ。

 

理由は、みんな本を読まなくなったからだ。

とくに雑誌を買わなくなった。

活字離れと言われている。

紙の本・雑誌の市場規模は1996年の2兆6000億円をピークに減少を続け

2020年には1兆2000億円に半減している。

 

ただし、紙ではない出版物の消費は増えている。

オンライン消費だ。

 

紙の本屋さんのひとつの打開策のひとつも、オンライン活用だ。

顧客の課題に応えて本を紹介するオンラインサービスを展開することで、

購買に結び付けている。

買って占有するのではなく借りて共用するサブスクリプション(サブスク)、

というスタイルだ。

顧客は、知りたいことに役立つ本を提案され複数借り続けることができる。

本屋と言うよりもイベント会場として運営する方法もある。

作者、文化人たちが常時登場し、それを聞く場として、本の購入に結び付けている。

 

65歳のわたしは。

いまでも。

本屋に行くと落ち着く。

また、新しい価値観の出会いへの期待なのか、ちょっとワクワクする。

昭和から積み重ねられてきた体験が

そうさせているのだろう。

あと、紙、印刷された本の匂いだろうか。

加齢臭は古本屋の匂いとも言われているが…。

高齢者と本屋は馴染みやすいのだろうか。