別題『三都三人絵師(さんとさんにんえし)』です。こんな噺になります。
という、圓喬が好んで掛けた江戸者が上方者を凹ます噺で、『祇園会(別題:京見物)』にも似ております。
圓喬の速記は残っておりません。稲荷町の正蔵(八代、岡本義)が「噺家の手帖」(一声社 1982年)に、圓喬の『三人絵師』が大阪弁、京言葉、江戸弁を使い分けて巧かったと、書かれてあるのみです。稲荷町の著作から圓喬の『三人絵師』に関係する部分を引用します。
稲荷町は他の著作でも圓喬についてかなりのページを割いているのですが、「あたしはね、円喬師匠の噺を実際に聴いたことがないんでね。」と述べております。ただ、大変に興味深い内容なので次回以降『鰍沢』の演出など絡めまして、数回に分けて一気に片付ける予定です。