自宅のある白金から霞ヶ関の職場まで、歩いて行くと、直線で4km。
途中東京タワーの芝公園や江戸時代は海まで見渡せた愛宕山を経由すれば、
あたかも山の中を歩いて通勤できるのではないか?と思いました。
そこで少し遠回りになりますが、白金から、イタリア大使館の横、綱坂の森を抜けます。
赤羽橋も今でこそ首都高速が上を走るコンクリートに固められた川ですが、かつて、江戸時代は芝公園の名のごとく、芝が生い茂る中を流れる小川でした。
高速道路には目をつぶり、川沿いをしばらく歩くと左手に東京タワーが鎮座しています。
要人の接待などで使う、とうふや「うかい」の横から小高い丘に入ります。
木々が生い茂り、まるで山の中です。
東京タワーの横に小さな祠があり、そこから丘の下を眺めると、結構な高さがある事に気がつきます。
丘を下り、道路を渡るとまた小さな林に入ります。
林の中のお地蔵さんを横目に、グランド脇を通ると、坂道を下ります。
信号を渡ります。
正面にエスカレーターがある、青龍寺に入ります。
階段でもエスカレーターでも、とにかく崖の上を目指すと、登りきったところに山頂の東屋がありました。
ここで少し休憩し、今度は階段を使って崖を下ります。
そのまま人口の川を経て、青龍寺境内を抜けます。
境内を抜けたところが、愛宕山への空中回廊入り口です。
さっきまでの明るい林と違い、欝蒼とした森の中を回廊が繋がります。
山頂の愛宕神社でお参りし、池を眺めると鯉がゆったり泳いでいるのが見えます。
小舟もあるので、船遊びでもできそうです。
ここから裏の料理屋の脇の階段を下がると、山頂から地面までの車道に出ます。
車道が却って日常的な山の風景感を増大しています。
車道を抜けたところに、殆ど取り壊されていますが、三丁目の夕日的住宅が少し残っている路地を通れます。
路地を抜けると目の前が大きなビル。虎ノ門ヒルズです。
丘でもないのに何故ヒルズなのですかね?
このままビジネス街となりますが、
最後の最後に、大正時代からの建物を守り続けている、蕎麦屋「砂場」を見る事ができます。
おそらく江戸時代と変わらない佇まいでしょう。
ここまでくるともう霞ヶ関です。
遠回りしても5km位、時間は一時間ちょっとです。21世紀に江戸時代の気分をちょっとだけ味わう事が出来ました。