ワインの熟成
熟成するというのは一体どのような意味なのでしょうか。



広辞苑によれば「十分に熟して出来上がること」とありますが、サイエンス的な見地から言うと「穏やかな酸化が促進される」という意味なのです。

後者のように言われると少々ロマンチックさに欠けますが、酸素とワインが接触することによりどのような変化が起きるのでしょうか。

 

 


白ワインの熟成
①外観
熟成が進むほど濃くなっていきます。色調もレモンイエローから黄金色、アンバーと変化していきます。

言わば、リンゴを切って置いておくと濃い茶色になるのと似ています。

②香り
若い頃は柑橘、果核、トロピカルフルーツなどの果物や、スイカズラ、ハーブなどの植物や花の香りが中心です。

しかし年月が経つに従って、次第にドライアプリコット、トースト、ナッツ、ハチミツのような香りが現れます。これらの香りはワインの複雑性に貢献します。

③味わい
香り同様、風味にフレッシュフルーツの印象が薄れ、徐々にドライアプリコットやトーストが現れスケール感が大きくなります。

実際、熟成によって、酸が増減することはないのですが、テイスターによっては酸の鋭角さが取れマイルドに感じることもあるようです。全般的に果実味が穏やかになるせいか、しなやかで優しい印象のワインに移行していきます。

 

 


赤ワインの熟成
①外観
白ワインとは正反対で、濃淡は淡くなっていきます。

また若い頃は紫がかった赤が一般的ですが、どんどんオレンジを帯びていきます。

②香り

白ワイン同様、若い頃はフレッシュフルーツ、花、植物が中心です。その香りの代表例にはフランボワーズ、ラズベリー、ブルーベリー、ブラックベリーが挙げられます。

ところが歳月を重ねるとともにドライフィグ、キノコ、腐葉土、タバコ、皮革のような香りが現れます。

③味わい
味わいにおける一番大きな変化は渋みでしょう。穏やかな酸化が進むと同時に、渋みのボリュームは減っていきます。これは渋みと色素の成分が重合して「澱」として瓶底に沈殿していくからです。

重合の過程では、渋みの性質も変化していきます。荒々しい渋みが、柔らかでマイルドなものに移り変わります。渋みは赤ワインにおける「骨格」となる要素なので、これが減少することによって味わい全体が繊細に感じられるでしょう。

ピークもある
このように白ワイン、赤ワインともに熟成が進むに従って、香り・風味ともに右肩上がりにスケール感が増し、ワインにおいてプラスに働きます。

これはいわゆる「熟成の山」を登っていくようなものです。

しかし、いつしかその香り・風味の発展もストップし頂上で一定期間を保つものの、やがて降下していくのです。この山の一番高いところを「ピーク」、また降下していくフェーズを「ピークを過ぎた」と表現します。

引き締まった酸やタンニンを持つワインほど、この山は大きなものになるのです。

出典:紫貴あき JSA認定シニアソムリエ
WSET ®Diploma/Recommended Tutor/Internal Assessor

 

 

 


 


ハイビスカス
赤や黄色、白、ピンク、オレンジ色など原色の鮮やかな花色が魅力の熱帯花木です。

花の寿命はほとんど1日限りですが、大輪の品種や涼しい季節は2日もつことがあります。

一般に親しまれているのは鉢植えのハイビスカスで、販売時にはほとんどに矮化剤が散布されており、高さ30cm程度のものが多く見られます。しかし沖縄などで地植えされている株は3m程度まで大きく伸びます。

 

 

 


ハイビスカスの原種は、ハワイ諸島、モーリシャス島に数種が分布しますが、ハイビスカスの基本種とされ、沖縄でブッソウゲ、アカバナなどと呼ばれて親しまれているヒビスクス・ロサ・シネンシスは、原種なのか人工的につくられた交配種なのか定かではありません。

園芸品種は主に3系統に分けられ、花は大輪で花色の変化に富むが性質が弱いハワイアン系(ニュータイプ)、花はやや小さく花色の変化も少ないが丈夫な在来系(オールドタイプ)、花が小さく樹高が高くなり、暑さに強い反面、寒さにやや弱いコーラル系があります。

一般に暑さに強いイメージがあるようですが、コーラル系以外は30℃を超える暑さでは花が少なくなり、特にハワイアン系はほとんど開花しなくなります。

世界にはハイビスカスの園芸品種は1万種近くありますが、ハワイアン系の品種がほとんどを占めます。

 

 

 

 


種類(原種、園芸品種)
ペインテッド・レディ
Hibiscus ‘Painted Lady
在来系。花はピンクに中心部が紅色。夏でもよく開花する丈夫な品種で、沖縄の道路沿いなどによく植栽されている。

スノー・フレー
Hibiscus ‘Snowflake
コーラル系。葉に白い斑が入り、赤い小ぶりの花が下垂気味に開花する。

マドンナ
Hibiscus ‘Madonna
ハワイアン系。花は白に中心部が赤色で、一般にも以前から「ヒノマル」の名で流通していた。

ローゼル
Hibiscus sabdariffa
アフリカ原産。ハイビスカスと同じ仲間の常緑低木だが、日本では春まき一年草として扱われている。7月から10月、淡黄色や橙色の花を咲かせる。ハイビスカスティーの原料などに利用される。