8月上旬は、宮崎県椎葉村(しいばそん)に旅に出ておりました
宮崎県の北西部にある、人口2500人ほどの村です。
熊本空港から車で3時間くらい
久々に山道という山道を走り抜けました。
到着したのはこちらの古民家。
いただいた朝ごはんが、何とも美味しかったこと
特に印象深かったのは、卵です
放し飼い鶏の産みたて卵
こんな卵を食べられるだけで、毎日ご馳走ですね
思わず、鶏を飼いたい…と思ってしまいました。東京のマンション暮らしでは、夢のまた夢ですが
さて今回はるばる椎葉村までやって来たのは、2015年に世界農業遺産に指定されたという「焼畑農法」の火入れを見るため。
世界農業遺産(GIAHS)は、
「次世代への継承を図る目的に国連食糧農業機関(FAO)が創設」
「それを取り巻く生物多様性の保全を目的に、世界的に重要な地域を認定するもので、持続可能な農業の実践地域となる」(Wikipediaより)場所だそう。
世界に45カ所、日本は11カ所あるそうです。
でも…
今回は、台風12号が残す影響で雨が事前に振ってしまい、中3日開かないと火入れができないのが通例なので厳しそうだとか。
常に自然と隣り合わせの、農法なんですね。
どの部分を焼いたかは、全部頭の中に入っているそうで、〝山を守っている〟〝山の恵みをいただいている〟自負がぐんぐん伝わってきます。
ちなみにこちらは、一昨年火入れを行なった区画。無事に焼畑が行われたあとは、蕎麦、あわ、ひえなどの雑穀をまきますが、その場所は植生がリセットされ、色々な植物が陽の光を再び浴びて、自然と元気に育つんだとか。
山菜のタラの芽の木なんかも、たくさん生えてくるそう。四季を通して、たくさんの恵みが豊かに育つんですね
なんだか普通の畑と違い、大地の自然の力を借りながら、たくさんの植物が共存している感じ。
ちなみに植物だけでなく、もちろん動物も共存。
最近は、害獣などとしてジビエにされがちなイノシシも、あえて栗の木を植えて育てる区画を作り、畑には来ないようにするんだとか。
ご飯があれば、イノシシも満足しますもんね。
そしてその美味しい栗の木を食べたイノシシが、美味しかったのは言うまでもありません(詳細報告は後日に)
まるで、ドングリの木を植えて、あえて野生のように放し飼いさせて育てるスペインのイベリコ豚のようですね。
ということは、椎葉の場合は本当に野生だから、ほんまもんなのです
こんなふうに見ると、人と山がうまく関わり合って、暮らしていることが伝わってきます。
現代では「山は一銭にもならない」なんて言いますが、椎葉勝さんが言うには「ひと焼き百生」と言うらしく、〝焼畑を一度行えば百の恵みが生まれてくる〟お宝の山々だそうです。
そんなふうに言われると、山の見方がガラリと変わりますよね
さてさて…
動画の最後に出てきたこの巻物の答えですが
答えは「あく巻き」です。
私は以前に鹿児島の方からお土産にいただいて、食べたことがあるのですが…
ほんのり甘くてモチモチ、まるでわらび餅のような食感。山の保存食だそうです。
豊かな山の恵み、それから焼畑の火入れがどうなるのかについては、次回お伝えしたいと思います