2017-07-31 20:04:57

フランス旅行記02 ル・トロネ修道院をはじめとした三姉妹

テーマ:フランス旅行記

南仏旅行記 第2段です。

先週はプロヴァンス地方に建つセナンク修道院について書きましたが、中世の同じ時代に建てられたのシトー会修道院の三姉妹と言われる建築を見てきました。ル・トロネ、シルヴァカーヌ、セナンク修道院の3つです。

 ル・トロネ修道院

修道院は、大聖堂のように、町や国のシンボルとして、豪華さや象徴性を表現するものではありません。特にシトー会は、中世キリスト教が持っていた政治的力を顕示するような壮大さや豪華な装飾を排し、簡素、無装飾性を信条にしていること、修道士の手によって建てられた、修道生活のための住まい、というところに、質実で実直な建築の質を実現しているのだと思います。

ルトロネ修道院の石積みのファサード

その上で、祈りの空間としての礼拝堂、寝室、仕事場、小礼拝室・食堂という機能空間を、クロイスターと呼ばれる美しい中庭を囲んで配置させるシンプルな空間は、奥深い魅力をたたえています。クロイスターは美しく植栽が施され、泉がわき、空と光が美しく感じられる外部空間です。

セナンク修道院の中庭

シルヴァカーヌ修道院

シルヴァカーヌはだいぶ朽ちていますが軽やかな白に装飾が少し感じられる回廊柱、ル・トロネは、重厚でシンプルなデザインの柱です。

ル・トロネの回廊

所持品を持たない簡素な修道僧が、辺鄙な山の中で、少しづつ木を伐り、土を均し、石を切りながら積むという気の長くなるような作業の中で、美しいものへの希求が止まず、数十年という歳月をかけて建設された建築の謙虚な美しさは、建物をつくることそのものが、祈りの所作のようです。生活する場に神聖な空間を組み合わせるという、空間のあり方に憧れます。

 

ル・トロネは、特にその石積みの美しさ、レベル差のある中庭の回廊、尖塔とアプスの美しさが際立っています。

裏庭の食堂は廃墟になっていたものの、聖堂と共同寝室は復元され、さらに建築家が小さな介入を提案し続けているそうで、アルヴァロ・シザのサインがありました。

シザのつくったサイン

 

廃墟になった建築が言葉を語っているようと思うのは、込められた製作者の抑制された謙虚で強い精神の音かもしれません。そのような建築を大切に保ち、観覧できるフランスという国の豊かさを感じました。

 

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2017-07-22 18:05:04

フランス旅行記 その1~ゴルドとセナンク修道院

テーマ:フランス旅行記

今月の7日から10日間、休暇をとってフランスに旅行に行ってきました。パリに3日、そのあとアヴィニヨンでレンタカーを借り、プロバンス地方の山岳都市とシトー会三姉妹と言われる修道院を巡ってきました。

 

今日は、南仏のプロバンス地方にある、美しい村ゴルドと、その近くにあるシトー会修道院で、セナンク修道院の巻です。

ゴルドは、鷲の巣村と呼ばれる、高峻な山のてっぺんに築かれた中世の村で、絶壁に張り付くように建てられた村の建物はすべて緻密な石積で作られ、真ん中には城を持つ神秘的な美しい村です。

 

すべての家が、緻密な丸みのある石積みでできており、擁壁やガードレールも連続した石積みが美しい。

路地にはお店やレストランがたくさんあります。

 

そこからほど近い、渓谷の奥に、12世紀のロマネスク建築として、今でも現役の修道院「セナンク修道院」があります。

ラベンダー畑の中に建つセナンク修道院

セナンク修道院の聖堂外観。ロマネスク建築の典型的な形です。

 

 

 

ラベンダーを栽培し、ハチミツを作り、菜園で自給自足の生活を送る修道士のコミュニティーがあり、一般観覧の時間を設けていて、午前中9時45分から11時までは、自由観覧可能。パリとは違って、南仏はとにかく晴天続きで、毎日抜けるような青空とラベンダーの季節で、一面の紫の畑にハチが飛び交っています。

 

 ロマネスクの修道院は、簡素な形と小さい窓、装飾の少ない実用的な建築が落ち着いた魅力を持っています。特に、クロイスターと呼ばれる中庭と回廊がすべての建築をつないでいる構成が美しい。

回廊から中庭を見る。

 回廊の柱は美しく修復され繊細な装飾ば見られます。

 

シトー会修道院は、単純・簡素・無飾性をモットーに実用性と構造的必要のみを追求した建築をつくったといわれますが、その中に、抑制された美への探求が、建築的なモチーフのみで追及したと言われており、現代においても古びない普遍的な美しさを持っています。

大聖堂のサンクチュアリもシンプルです。

大聖堂の内部、シンプルなボールト屋根とバラ窓

クロイスターの周りには、小さい礼拝室があり、少人数での礼拝の場所のようです。

 

 シトー会三姉妹のセナンク、シルヴァカーヌ、ル・トロネ それぞれの美しさは味わい深く、どの建築にもそれぞれの美しさがありましたが、セナンク修道院は、現役であるというその一点において、生きた建築の持つ威厳と清潔さ、手入れの行き届いた安心感、居心地の良さがあります。どんなに立派な文化財よりも、人が生活し使い続けることで、建築は生き続けるのだと思いました。

 

 

 

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