上高地と飛騨高山の旅 | 建築家 田口知子の日常をつづったブログ

上高地と飛騨高山の旅


最近、やるべきことの山に追われてあたふたとしているうちに、もう8月も終りそうで残念な気持ちになっていましたが、そうでした、今年の夏は、上高地と飛騨高山の旅に行ってきました。上高地は実は初めて体験でしたが、水も緑も、現実とは思えない不思議な透明感があふれ、心が洗われる美しい風景に出合うことができました。

 

 白川郷も良かったですが、この旅で一番の感動は、高山市にある「吉島家住宅」です。江戸時代の豪商の住宅である「吉島家」は、大きな町屋で、商いと住まいがいっしょになった家。

「どーじ」と呼ばれる土間空間から入って、高屋根のハイサイドライトから降り注ぐ光に浮かび上がる小屋組みが見事な構成美を見せてくれます。

大空間を障子や格子戸で仕切りつつ、どーじ、囲炉端の空間、主人の寝室、中庭、奥庭、炊事場の土間など、流れるようなどの場所に立っても、庭や光を感じる奥行きのある空間構成に感動します。

2階の和室は、なんとスキップフロアになっていて、1階の天井高さに変化を持たせつつ、遊び心もある楽しい空間です。

炊事場には光庭や井戸があり、半外部の土間空間、高窓の組み合わせでモダンで美しい空間です。

高い地位の人を招く奥座敷や、文庫蔵まであり、教養のある文化人でもあった、高山の承認の格を感じました。酒造や金融業など、活発な商売のなかにも、文化秩序を重んじる生活が、豊か生活のベースにあることにあらためて感動しました。

随所に、現代作家の篠田桃紅さんの作品が飾ってあることも素晴らしいセンスでした。吉島家と篠田さんには深い縁があるのかと思います。

 

上高地の自然や高山家のキリッとした空間を思い出すだけで、疲れた頭にエネルギーがチャージされるようで、素敵な夏の思い出になりました。