「ウンス!ウンス!」



抱きかかえ、ベッドに寝かせた。



「チェミーーッ!」



「皇帝陛下?どうなさいましたか?」



「ウンスが倒れた!早く、早く!


マイヤー夫人とアレクを!」



「は、はい!直ぐに!」




「ウンス?どうしたんだ?」


手を握り語りかける。



直ぐに駆けつけたマイヤー夫人とアレク。




「いったいどうしたのですか?


皇后陛下がお倒れになるとは?


直ぐに診ます!」



ヨンは事情を説明した。



「皇帝陛下!お子様達はお元気です!」



「脈が少し速いです!」



「おそらく、お疲れから、貧血が


出たのかと思います!魔法は、


思った以上に体力を消耗させるのかと」



「あの…何か奇跡を見るように、


街が輝いたのは、皇后陛下が?」



「ああ、ウンスは…聖女らしい。


悪を消し、この国に光りをもたらす。」



「とても暖かな気持ちになったのは、


皇后陛下が?光りが飛び散るのを


みました。」



「国中を浄化したようだ…」



「こちらの薬湯を飲ませて下さい!


貧血が改善されます。他に異常は


見当たらないので、ユックリと


休ませて下さい!」



マイヤー夫人とアレクは、


医務室で待機する事にした。



ヨンは、薬湯を口移しで飲ませた。



それから2日間ウンスは目覚めなかった。


ヨンは、睡眠も取らずにウンスの


手を握り続けた。


救いはエルナの言葉だった。



「皇帝陛下!大丈夫です!


ウンス様は、魔法を使い過ぎると、


3日は、眠り続けていました。


おそらく、浄化されなかったあの娘に


必要以上の力を使ったのかと思います。」



3日目の朝…



「う…ん」



「ウンス!ウンス!」



「すっごい寝たわ!」



「全く、心配させおって…」



「どれ位眠っていたの?」



「3日だ!もう起きないかと思った!」



「ヨン…寝てないの?」



「当たり前だ!愛する妻が倒れて


目覚めないのに、寝ていられるか!」



「はい!此処に来て!」


ヨンはベッドの隣りに入った。



ギュッと抱きしめる手が震えていた。



「ごめんね。無理しちゃった。


私ももう少し寝るから、ヨンも


眠って!」



安心したのか、ヨンはウンスに


頭を撫でられると、眠った。



3時間程で、目を覚ました。



「起きてたのか?」



「うん。イケメンのヨンの寝顔を


見てた。寝言でウンス愛してる!


って言ってたわよ?」



「起きてても、眠っていても、


俺はずっとウンスを愛してる!」



「私も。ヨンの夢ばかり見ていたわ。」



その時、ウンスのお腹が可愛く鳴った。



「腹が減っただろ?待ってろ!」




チェミを呼ぶと、泣きながら喜んだ。



「皇后陛下…ご気分は?」



「物凄く寝たので、絶好調です!」



「皇帝陛下も、3日間何も食べずに


いました。直ぐにお持ちします!」



「食べてなかったの?」



「ああ、俺は慣れてるからな。


魔獣討伐の時は、食べる事と眠る事も


忘れるんだ。」



「クスッ、じゃあ私は魔獣並みね?」



「魔獣以上だ!心配させおって!


こんな可愛い魔獣なら、喰われても


いいな?」



「もお〜、甘いんだから!」



その頃、神殿では、懺悔する修道女が


居た。メヒルだ。


自分の欲深さがとんでもない事に


なってしまったと悔いていた。



「お父様…どうか私を許さないで下さい


巻き込んでごめんなさい。私は此処で


一生罪を償って生きます。」



ウンスの強い願いが通じたのだった。




それから、大帝国は、更に活気に満ち、


人々は輝いていた。



皇帝と大公殿下も金や銀が豊富に採掘


できる事で、宝石に高値が付き、


他国からの交易の申し込みに


追われていた。




バタン!



「おい!ヨン!ビン!」



皇帝と大公殿下を呼び捨てできるのは、


唯一ジークフリード公爵だけだ。



「叔父上!」



「戻られたのですか?」




「ああ、随分と明るさが増した国に


なったな?それより、三つ子だって?


大丈夫なのか?」



「明日、検診なのですが、7ヶ月とは


思えない程、腹が大きくて、あと3ヶ月


で、破裂してしまうのではと…」



「そうか…交易の方は、任せろ!


お前達は、皇后とエルナの側に


なるべく居てやれ!俺には、エルナの子も


皇后の子も孫同然だ!なぁに、生まれる


までに、交渉してやるさ!


さっき、エルナに会って来たが、


だいぶ目立ってきたな?皇后は?」



「最近は、食も何回かに分けて、


早産にならぬように、動くのも、


制限してるんだ。」



「そりゃ、心配だな?」



「ジェイ!叔父上に書類を見せてくれ!」



「はい!ジークフリード公爵様なら、


各国に顔がきくので、この先の交易も


上手く行くでしょう!陛下と殿下は、


大切な姫君達の側にいてあげて下さい!」




「ヨン!ビン!お前達も力を付けたが、


訓練は、怠るな!」



「それは?」



「ソンゲールの生き残りが居たようだ!


大した数ではないようだが、


攻められても、戦える準備は、しておけ!」




「はい!!」



ヨンは勿論だが、ビンにも剣の心得が


あった!


2人は、直ぐに騎士団の所へ行き、


作戦と訓練を綿密に行ってから、


愛する妻の元へ戻る事にした。



「兄上!暫く皇宮で過ごしては?」



「ああ、そうする!俺達の大事な宝物だ!


守り抜かねばならない!私も久々に


剣を持って、お前の強さに驚いたよ。」



「兄上は、黒騎士団の精鋭達にも


引けを取らない程の腕前でした!」



「姫とエルナには、機会を見て話そう!


明日の検診が終わったら、久々に


4人で食事をしないか?」



「はい!ウンスは、動いては駄目だ!


と言う事にかなり退屈してます!


4人で食事とは、喜ぶでしょう。」



ビンは、離宮に行き、使用人達に


荷物をまとめさせた。




ヨンは部屋に行くと、ベッドの上で


本を読んでいたウンスがパァーっと


明るい顔で嬉しそうにした。



「ウンス?退屈だったか?」



「うん。本しか読んでないから…。


それより、どうしたの?早かったわね?」



「ああ、叔父上が政務を引き受けると


言ってくれた。明日からは、


兄上とエルナも出産が済むまでは、


皇宮で暮らす事になったぞ?」



「ほんと?検診が済んだらエルナと


話してもいい?」



「ああ、その間は、俺は騎士団の方に


行っているから、ゆっくり話して


夜は、4人で食事でもしよう!」



「うん!あっ、少し位、歩いても


いいか?マイヤー夫人に聞いてみるわ!


寝るのは得意だけど、チェミさんの


監視が鋭くて。」



「そうか?気分はどうだ?」



「絶好調よ!子供達も元気よ!」



「それは、何よりだ!」



ヨンは、バックハグして頬に口づけた。



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ソンゲール…簡単に済みませんでしたね💦


ジークフリード公爵が戻って来たので


ヨンとビンの活躍に期待ですね😉