暗くなりはじめて宿に着いた。


チェ・ヨン様と奥方様ですか?


ああ、遅くなってすまぬ。

先に湯浴みをしたいのだが?


はい。此処は温泉ですので、

ゆるりとして下さい。


えっ?温泉?


パァーッと顔が明るくなる。

その顔に見惚れる者達。


隠すように、部屋に入り、

二人で湯殿へ向かった。


あの…お二人で?


ああ、うちでは普通の事だ!


は、はい。


着替えをもって二人で風呂に入った。


うわぁ〜!気持ちいい!

ねえ?お尻、赤くなってない?


白く柔らかなお尻を見せる。


う、うん、可愛い尻だぞ?


見て?お肌がスベスベになるわ!


ウ、ウンス?我慢が効かなくなる!


やだ…ヨンの…


当たり前であろう?


風呂場で散々翻弄されて、

夕餉に行った。


ほんのり赤く、艶っぽいウンスに、

泊まり客の目がいく。

何処に居ても目立つ妻だ!


宿屋の主人が言った!


チェ・ヨン将軍!国境が通れないとは

本当ですか?


ああ、高麗に入る術は失くなった!


雷が落ちて、地面も割れたのよ?

自然災害って、凄いわ!ねっ?


クソっ、小首なぞ傾げて微笑むな。

男共が釘付けだ。


チェ・ヨン将軍?ウダルチの?


まさか?医仙様か?


あの美しさ、髪の色、天女に

間違えない!


ざわざわとする。




ウンス?


なに?


チュッと口づける。


周りは、ギョッとした。



これはこれは、聞いていた通りですね。

将軍は奥方様をこの上なく大事に

しており、人目も気にしないと。


うちでは、普通なの!


そうだ!新婚なのだ!



なる程、一時も離れていたくないの

ですね。

海の物が沢山あります!

食べて下さい。


ほんとにご馳走だわ!

雲丹まであるわ。



雲丹が好きなのか?


うん!大好き!

アワビもサザエもお刺身も煮付けも

好きよ。


パクパクと食べだす。


あっ!そうだ!ウンス?


なぁに?


あの占い師のオジサンだが…


どうしたの?


テマナの名前を知ってるか?


テマン君?確か9才位から、山で

一人で暮らして、テジャンと

13か?14?の頃に出会って嚙みついた

とか?


ああ、オ・テマンって言うんだ…


えっ?マジ?オジサンの親戚?

確か、オ・グァンロクさんだったよね?


いや、わからぬが、何か気になって。


親戚だったらいいね?

例えそうでなくても、私達の

力になってくれるわ!


ああ、夢が当る等、信じてなかったが

あのオジサンの夢は本当だな。



あの…此度は、

ご婚姻おめでとうございます。

上質な酒です。


ああ、ありがとう。

ウンス?少し飲むか?


お酒?うんうん。

少しだけ飲もうかな?


二人で酒を飲んだ。


この前と違うね?

何だか嬉しい。


なにゆえ?


だって、あの時は、ヨンは、

お酒が好きじゃない!って…

あのね、私の時代では、屋台とか

居酒屋があって、お酒とツマミを

楽しむのよ。


そうか?では、楽しく飲もう!


チアーズ!

杯を鳴らした。


乾杯と言う事か?


そうよ!

うわっ!硬いお酒ね?


硬い?


キツイって言うの?


そうか?


茶碗一杯でやめて、二人は、

部屋へ戻り、存分に愛しあった。





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伏線でした。

占い師のオジサンとテマンが

関係あるお話にしようと思ってました。

それでです!

占い師のオジサンの名前を調べたら、

オ・グァンロクさんでした!

こんな偶然って、ありますか?

まさかのオ氏繋がりで

ビックリした私です。凄くないですか?