翌日、トギが屋敷にやって来た。


畑の方で、薬草園にする場所や、

トギが使い易い家を案内した。


ここは、好きに使っていいわ。

引っ越して来てもいいのよ?


ここなら、色々と薬草を試せる。

でも…引っ越して来るのは、

少し待って欲しい。


あ、うん。いつでもいいのよ?

お茶でも飲んで行って。


トギを居間に連れて行き、

お茶を飲みながら、今後の

話をしていると…口を押さえて

厠にかけこんだ。



青白い顔で戻ってきた。


トギ?あなた、まさか?


ち、違うよ。何か悪い物を昨日

食べたかも知れない。


ヨン?サンガさんを!


サンガが来て、脈を診ようと

したら、手を引っ込めた。


トギ?あなた…自分で脈診できたわね?

相手は誰?


言えない…


まさか?辱めを受けたのか?


ちがうよ…。


そのすきに、サンガが脈診した。


間違いないですね。

まだ弱いですが滑脈が出ています。

今は安静にすべき時です。


少し横にならせた。


奥様!主人に運ばせます!


コニ?いいの?


私達は何年も連れ添ってます。


旦那様もサンガ様も、

トギさんを運ぶとなれば、

噂になります。


どうって事ないですよ?奥様!


ギル、ごめんね。


いや、俺が門を開く!

コニもギルも無理するな。



歩いて帰れる。大丈夫。


そんな、真っ青な顔で、途中で

倒れたら、どうするの?

大事な人との子なんでしょ?


あのトギがポロポロと涙を流した。


家は?どこなの?


薬房の向かいの奥の家…。


少し落ち着いてから、

ヨンは門を開いた。


ウンスはトギの手を取り、

一緒に行った。

薬房の裏に着くと、



もう、大丈夫。後は一人で帰れる。


駄目よ!家の前まで送るわ。

会わせたくないのなら、

トギを尊重するわ。


そんな事はない…

ウンスなら治せるかもしれない…

とポロポロと泣く。


病なのか?


記憶を失くして、三年前に

思い出した…だけど…手が震える…


は?それでは、昔の俺と同じでは?


それだけじゃない…


トギの家に着くと…

中から出て来た男に

ヨンもウンスも震えたのであった。



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まさかのトギ懐妊発覚!