遅くまで、作戦を練った。


使用人達は、ウンスの母親に聞き、

衣装作りにとりかかる。


カン社長は何やら彫っていた。


アボジ?それは?見事ですが、

そんな才があるなんて…


王族と言ったら、紋章だよ?

これをユ先生とご両親の足首に

印をつけるんだよ?


は?カン社長?

ウンスの肌を見せるのですか?


お前は、いちいち細かい奴だ!

足首くらい良いであろう!

そもそも、この策は、お前が

考えたのだ!


将軍、大丈夫ですよ?

洗い流せば消えます。

やるからには、トコトン拘りましょう。


既にみんなは、臨戦態勢だ。


ギルは、男性陣の採寸をした。

タキは、女性陣だ!


奥様もミヨン奥様も、

普通の身体じゃないので、そろそろ

眠ってください。


大丈夫よ。朝まで寝かせてくれないのは

しょっちゅうだから。


私も、最近は旦那様が放してくれなくて。


二人の両親はニヤニヤとした。


いや、その…崔瑩殿が…

そういうものだと。


ジユン殿!うちは普通だ!


ねえ?あなた達、堅苦しいわ!

ヨンって言っていいのよ?

縁があって、こうして居るんだもの。


では…俺は…サンガと呼ぶ!

叔母上?ソン家ではなく、カン家に

変えられるか?


まあ、何とかやってみる。


ありがとうございます。

ミヨン?サンガで良いか?

完全にソン家と縁を切りたい!


旦那様は旦那様です!

本当の名前で良いです!

親孝行するのです。サンガさんの

方が良いです!


そうよ!サンガさんは、ヨンより

年上だし、これからご近所さん

なんだから!


では、ヨ、ヨン…宜しく頼む。


ウンスが世話になったのだ!

それに、新たな気持ちで、此処に

来たのだから、宜しく頼む!サンガ!


こうして、男の友情も生まれた。



翌日、昼前に、案の定、

王妃の使いの女官が来た。


チェ尚宮様!チェ尚宮様!


コニが出た!


何でしょう?


あの、王妃様が直ぐに王宮に

来るようにと。


生憎、今日はおりません!


あの、どちらへ?


さあ?最近は遠出をしますので、

帰りは、明日か?明後日になります!

私共は時折掃除に来ている者ですが…

王妃様にお伝え下さい!

こちらから、伺いますと。

チェ尚宮様にも伝えておきます。


は、はい…わかりました。

中の方にも、聞き耳を立てるが静かだった。



予測通り、早速きおったな。


相当焦ってるんですね。

もう少し焦らしてあげないと。

王が戻ったら、また、来ますよ。



王宮に戻って女官は、王妃に

伝えた。



何処に行ったのじゃ!

崔瑩を市中で見かけたと言う噂は

本当なのか?

女人と人前で口づけしてたとは、

崔瑩は、そのような男ではあるまい!

その女人は、妻にした者なのか?


さ、さあ…噂ですから、真偽は、

わかりかねます。


どうやら医仙とは伝わっていない

ようだった。

部屋の中を歩き回り、落ち着きのない

王妃だった。


王妃様…あの…王様が、明日にも

お戻りになるそうです。

それと…市中に王妃様の廃位を望むと

あちこちに、張り紙がしておりました。

元にお戻りになった方が、

安全かと思います。


何故じゃ?


王妃様?徳興君様と懇意にされて

いた事をお忘れですか?


な、何を申す!ワタクシは、

謀られたのじゃ!


民はそう思っていないようです。

王妃様のお子様を亡き者にしたのは

徳興君様です。それなのに、

王妃様は、徳興君様を恋い慕い、

玉座に据えようとしていると、

思われているようです。

徳興君様は、罪人です!

ご一緒になりたければ、

元に帰るのが良いかと思われます。

既に廃位の声も聞こえてきてます。


な…廃位?そうなったら…?


どこかに幽閉されるか、

離れた離宮に監禁されるか、

元に返されるかです。


降嫁と言う手はないのか?


王妃様は既に罪をおかしました。

本来なら罪人です!

親元派を引き入れた罪は重く、

他の者達は流刑になったり、

元に帰されたり、奴婢になった  

者もおります。

王様が坤成殿にて監禁という、

軽い罪に対しても王宮内では、

不満が出ております。

降嫁等、できないと思います。



ウダルチの隊長を呼んでまいれ!



ウダルチも禁軍も、既に、

命令等、ききません!


では…世継ぎができれば良いのだな?

典医寺長を呼んでまいれ!


今となっては、遅すぎると、

まだ気付いていないのですか?

王妃様が王様も廃位に追い込むかも

しれないのです!

典医寺の者も、巻き添えに

ならぬようにと、逃げるように

王宮を去りました。


四年間も典医寺の者は何をやって
 
いたのですか?

聞いた所、高額な禄を貰っていたと…



ただ…身体が安定してきたゆえ

月に一度、月のモノが来る二日程前に

王様と一緒に過ごすと授かると…


それは、どういった理由があるのですか?

では、王妃様は、月に一度だけ、

王様とお過ごしになったのですか?

ただ、身籠りたいだけに?


典医寺長が申したのだ!

間違い等、なかろうに。


王様が哀れです!


何故じゃ?


それでは、王妃様は身籠る為に

王様とお過ごしになったと言う事です。


そ、それは…ソルジャ!そなたは、

もう此処に来なくても良い!


わかりました。私が王様を

慰めて差し上げます!


ソルジャが出て行った後、

王妃は思った。


王様が悪い!ワタクシの身体に、

問題はない!と…。


そんな理由ではないと、全く気づかない

王妃だった。


イライラと、チェ尚宮が来るのを

二日待った。


遅くに王様が帰って来た!



王様!国境はどうでしたか?


王妃よ…元に帰らぬか?


えっ?何故ですか?今更、

帰るとは、どういう事ですか?


禁軍もウダルチも離れてしもうた。

道中、耳に入るのは…

王妃と叔父上の不貞の話ばかりだった。


余との間に出来た吾子は、

本当は叔父上との子だったのか?


違います!王様のお子です。


では、何故じゃ?

王妃は変わってしもうた。

玉座は余には似合わぬか?

叔父上の方が頼りになるのか?

民は、余と王妃の廃位を望んでおる!


そ、そんな…。


国境は通れぬ!

山道から帰ろう。


王様は、徳興君に玉座を

譲るのですか?


本望か?


いえ…


明朝の朝議で、話し合う!

王妃も重臣達の意見を聞くがいい!

余は疲れた…今日は、もう休む。


去って行く王を、歯ぎしりしながら、

見送った。




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王妃には、世継ぎ世継ぎと言われ

続けたのが、相当な屈辱だったのでしょう。