夕餉は賑やかだ!
スンもルンもヨンがほぐす魚を
満足そうに食べる。
バンとルンの口にも入れる。
大忙しのヨンだ。

夕餉が終わり、サジュナが脈を診る。

「旦那様?奥様は双子を身籠って
おります。より気をつけて、
奥様を見張って下さい。愛でるのは、
かまいませんが気を配って下さい。」

ヨンが固まる。
屋敷のみんなも同様。

「は?ウンスは知っておったのか?」

涙を浮かべたウンスは
「うん…不安で言えなかった…だって 
ヨンが大変でしょ?それに私も
双子を産むのが不安だったの…」

ヨンはウンスを抱き寄せた。
「馬鹿だな?それで憂いていたのか?
不安だったのか?
もっと増えてもいいぞ?
家族をたくさん授けてくれて
ありがとう。よしっ!家の部屋を
増やさねば!忙しくて嬉しい事だ!」

屋敷のみんなもニコニコしていた。

「バン!プン!ははさまのお腹に 
二人赤ちゃんがいるぞ?
兄さまと姉さまにまた弟か妹が
できるぞ?」
バンとプンはウンスにそっと
抱き付き、お腹を撫でた。
暖かい気が流れた。
バンとプンは顔を見合わせて頷く。

「ちちしゃまはずっとははしゃまの
そばにいてくだしゃい。バンとプンも
ははしゃまをまもりましゅ。」

「そうか?心強いな!」
ガシガシと二人の頭を撫でる。

「ちっち!はーは!」とスンとルンが
抱きつく。更に暖かい気と身体が
スーッと楽になる感覚!
なんだ?初めて感じる。何の内攻だ?

ヨンはクスッと笑って、
「よーし!五人で、ははさまを
まもるぞ!」と言うとニコニコと
四人の子供達が笑った。

それから、更にヨンの過保護が
始まった。何処にでも付いてくる。
とにかくはなしてくれないのだ。

「ウンスや?ずっと屋敷に居て、
気鬱にならぬか?王宮に遊びに
行くか?抱いて歩くぞ?」

「クスッ ヨン?王宮って遊びに行く
所なの?」

「ああ、俺にはそうだが?
あっ、まだ叔母上に言ってなかったな
アレコレと煩くいうだろうな。」

「私がなんだって?」

「何故居る?」
「お前は気配も気づかぬほど、
妻が愛しいか?して、何故屋敷に
親方が来ておるのだ?」

「ああ、子が増える故、少し
手を加えておる!」

「今でも充分広いであろう?」 

「ああ…その…また双子だ!」

固まる叔母上。

「誠か?お前は他の事は
どうでもいいが、双子名人とは
本当だな?して、ウンスや、
身体は大事ないのかい?」

「はい!叔母様。三度も双子で、
戸惑いましたが、ヨンも子供達も
いるので心強いです。」

「言われてみれば、月数の割には
お腹が大きいみたいだ。ヨンア、
役目等どうでも良い!チェ家に
家族がどんどん増えるのだ。
嫁御を可愛がれ!無体はするな!」

「わかっておる!子が増える喜びは
何とも言えぬな。叔母上?俺が
六人も子を持つのだぞ?」

「全くだ!昔のお前から想像もつかぬ
しかし、お前も覚悟はできてるのか?」

「何の覚悟だ?子が増える覚悟は
できておる!」

「そうではない!双子名人だ!」

ウンスがケラケラ笑う。

「あっ…良いではないか!ウンスは
そう言う体質なのだ!」

「へっ?私なの?ヨンじゃないの?」

「王宮にはいかぬ!」
「あら?さっき遊びに行こうとか
言ってなかった?」

「ウンスは知らないようだが、
スンとルンの時も双子の作り方を
教えてくれ!と王妃にも言われた
のだぞ?」

「あっ、内緒にしておこうか?
産まれたら双子だったって?」

「そんな嘘はすぐにバレるであろう?
叔母上!適当に言っておいてくれ!」

「嫌じゃ!適当に言える事ではない!
大将軍はまた双子を作ったと
大声で叫び歩きたいくらいじゃ!
チェ家が賑やかになる事ほど
嬉しい事はない!ウンスや?
10人でも産んで良いぞ?」

「叔母様、流石に10人は無理ですよ」
とクスクス笑う。

「おお、そうじゃ!忘れるところで 
あった。王様が此度のサジュナの
頑張りに褒美を取らせたいと
申しておった!サジュナを借りて
行くぞ。」

王様の所へサジュナを連れて行った!

「サジュナ医官!此度は大義であった
危険を顧みず自ら疫病を鎮めた。
なかなかできる事ではあるまい!」

「王様。全て医仙様の指示に
従っただけです。黙ってれば、
医仙様が動いたでありましょう。
しかし、今は双子を身籠っており
身体を労わねばならぬ時期です。
褒美でしたら、これからも研究を
を続けて行くのにご協力を
お願い致します。」

王様も固まっていた。

「あ、あいわかった!して
又も双子とは本当か?」
「はい!奥様の体質か?遺伝か? 
わかりませぬが、健やかに
育っております。旦那様も目を
離せぬ状態です。」

「褒美はあとでチェ尚宮に
届けさせる!」
「王様?奥様が言うには、侍医様の
とった行動も素晴らしい事だと、
申しておりまりました。」

「そのようだな!自らを犠牲に
してでも、市中に広がらぬよう
したとは、侍医にも、褒美を
とらせる!」

サジュナが帰った後、
王様は王妃の所へ行った。
「チェ尚宮!医仙殿が又も
双子を身ごもったとは本当か?」

「えっ?まことか?」王妃も固まった。

「はい…どうやら嫁御の体質の
ようでございます。」

「いいえ!王様!大将軍が何か
特別な技を持っているのでしょう。」

「と、特別な技とは?」
「愛でる技です!」と言った後に
王妃がとんでもない事を言ったと
赤くなって俯いた。

「王妃よ。今度、男同士の話で
大将軍に聞いてみる!」

翌日の朝議の場で

「医仙殿はまた双子を身ごもった!
大変であろうから、頼ったり
しないように!」と王様が言うと

全員固まった。
「双子名人…」誰かが呟いた。
「教えを請いたい!」

大将軍の双子名人の話は、
噂好きの王宮の餌食になったのは
言うまでもない。