児童精神科医の佐々木正美さんは「お母さんのにおいを覚えている」と答えた学生は、『自尊心が高く、自己肯定感も強いといいます』
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たとえば「あなたは赤ちゃんのころのお母さんのにおいを覚えていますか」という質問があり、日中の大学生に5段階で回答させるんです
「まったく覚えていない」「覚えていない気がする」「どちらともいえない」「覚えている気がする」「よく覚えている」というような5段階です
また、同じように「赤ちゃんのころに聞いたお母さんの声を覚えていますか」「お母さんに添い寝をしてもらった記憶がありますか」といった設問などがあります
中国人の大学生、日本人の大学生が無記名でこうした問いに答えていく、という調査です
後半には「あなたには自尊心がありますか」「自己肯定感はありますか」「あなたはなにか夢を持っていますか」「将来に対する希望がありますか」「自分を創造性豊かな人間だと思いますか」といった項目がならんでいる
この集計結果は、驚くべきものでした
日本人も中国人も、その回答のパターンはほとんど同じでした
「お母さんのにおいを覚えている」と答えた学生は、『自尊心が高く、自己肯定感も強い』
『同時に夢や希望を持っていると答えている場合が多く、自分自身を意欲的で創造性も豊かだと思う、と感じていました』
「本当に母親のにおいの記憶があるのかどうかは、なんともいえません」
けれど「覚えている」と感じている人が、自己肯定感などを強く持っているということなのですね
『この傾向は、日本も中国も変わりません』
しかし、この調査で私が日本人としてとても悲しく思ったのは、「母親のにおいを覚えている」と答えた日本人が、中国人に比べて決定的に少なかったことです
同時に「自己肯定感がある」「夢がある」「自尊心がある」と答えた人も少なかった
「母親のにおいの記憶や添い寝経験の有無は、あきらかに、大学生の自尊心などの持ち方に関連があるということです」
「どんなにおいなのか、どのくらい添い寝をしたらどうなるのか、といったことはわかりません」
ほかにも調査項目以外の要素もあるかもしれません
『けれど、この結果は注目に値するものだと思いますね』
「とても大きな意味を持った調査だと感じました」
「自尊心が持てない、組織内でうまくやっていけない、プレッシャーが大きい、などさまざまな理由はあると思います」
「けれど、会社や組織をすぐに辞めてしまう若者の多くが、辞めた理由として人間関係をあげています」
「人間関係がうまくいかずに、結果的に夢や希望、自己肯定感を感じられずに自尊心をも失ってしまう」
『乳幼児期の育てられ方と、大人になってからの自尊心、将来への夢や、自己肯定感、健全な人間関係はやはり大きなつながりがあると思わずにはいられないのですよ』
お母さん、お父さんに「できるだけ、子どもに手をかけてあげなさい」、「いくらでも子どもが喜ぶことをしてあげなさい」、「関わりすぎていけないことはなにもないですよ」と私は申し上げたいのですね
『子どもの自己肯定感とママのそばにいることは連動している』
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