蜘蛛の糸

夢が終わった。
自分で壊してしまった。
とても大切なものだったのに。

足元から崩れいく感じて
膝が崩れた。
やり直しがきかない。

もうこの地に来ることはないだろう。

自分の正義を貫くことが、
相手を苦しめる。

心が叫ぶ。
こんなはずではなかったと

気持ちのずれをなんとかしたいと
あがけばあがくほど、
泥沼にはまる。

焦りが焦りを呼ぶ。
何故待てなかったのか？
失いたくない一心で
蜘蛛の糸にすがったのだ。

蜘蛛の糸は容易には切れない。

何度も揺れ、
何度も揺れ
糸が緩み、切れる。

切れたら終わり。
元には戻れない。

今この体験が必要なのか？　
したくない体験。

人を傷つけ、
別れなければならないなんて　
あんなに好きな人を失うなんて…

時間を戻せるなら戻したいと

何度も何度も心が叫ぶ。

今は私の声が届かないあの人に。