燕は戻ってこない



第9話



それぞれの思いが交錯する
幸せは訪れるのか?


双子の動画を見て、涙ぐむ基
リキに「産んでください」と
電話する


悠子の仕事場にマチューとともに
訪れ、悠子を抱きしめる基


「返事したよ、産んでくれって
悠子の言葉を思い出したんだ
何かの縁があって生まれてくるんだ
って 動画見て、あの子を欲しいと
思わなかった?」
悠子「いいえ、決めたこと、あの子の権利を考えるなら、なおさら」
基「条件があるんだ 一人では育て
られない、僕のもとで、妻として
子育てして欲しいと、リキさんを
説得して欲しい、そしたら
離婚に応じる」悠子「私が?」
基「悠子のこと、気にするだろう?
離婚は悠子の意思だと伝えて欲しい」
基「俺たちが壊れたのは代理母を
頼んだせい、でも、彼女は悪くない」
悠子「子どもを諦めきれなかった
私たちのせい」




8ヶ月 妊娠30週
まぶたが開いたり閉じたりする
キャベツの大きさくらい
体は双子の母親になりつつある
心は母親仕様になっていない
美味しく、ご飯が食べられている
お腹の子は暴れている

りり子の家のお手伝いさんの杉本
さんと叔父のたかしさんの二人から
複数冊の絵本がプレゼントされる
代理出産であることを知らない
二人は出産が待ち遠しい
シングルマザーなら私たちと家族に
なれぱいいんじゃない?






悠子がリキに会いにくる
リキ「自分とは違う命が育ってる」
「ちょっとだけ偉大なことをしているような全能感
何ともいえない表情になる悠子
悠子「基とは復縁しないことに
したのよ、気持ちが離れてしまった
の、リキさん、草桶の妻になって
欲しいの」リキ「無理です」
りり子「出産たけでなく、妻まで
押し付けるの」
悠子「代理母から妻になったら
お金の心配いらないでしょ
子どもから、産みの母を奪いたく
ないのよ
基も恋愛関係にはなれないけど
子どもたちの母親として迎えたいと」
リキ「一方的すぎる、私の気持ちが
入ってない」
りり子「ビジネスの延長なら
お義母さんは確実に先に死ぬから
全部、手にいれな」
リキ「代理母を引き受けたのは
すぐ終わるから、1年ちょっとで
大金が手に入り、やっとスタート
に立てる、人生始められる」
悠子「母親になるって、すごい
のね、全能感?羨ましい 私は体験
できなかったから…疲れたの
基といるのも、あなたの顔を見る
のも、このまま生きていくって決め
たの」
リキ「卑怯ですね、私のせいじゃ
ない 望んだのはそっち、人助けで
引き受けたのに、母親になる覚悟は
なかったのですか?それで、こんな
こと、押しつけたんですか?」
悠子「覚悟はあったわ、今は私の
エゴはいいのよ、子どものことを
考えて」
リキ「それだって、悠子さんのエゴ
じゃないですか?話が違う、あと
500万もらって消えます」
契約の違約金を求めず、成功報酬
の500万を払うなんてない
子どもを産んで、成功報酬なしで
消えるか
妻になって全部手に入れるかと
悠子は提案する
リキ「それ、脅しですか?」
悠子「ただの現実、人生を始めたい
から、引き受けたと言ったわね
じゃ、答えは出ているんじゃない?」







前回の8話から悠子の考えに
私はイライラしている
双子から実の母親を奪ってはいけ
ないと、自分は基と別れ、リキと
基が夫婦になることを望み
リキの気持ちや幸せを一つも
考えてなく
私には理解できないものだったが
今回の9話では、少しわかった気が した 疲れたこの言葉に集約されて
いると思う
悠子はずっと不妊治療を続けてきた
でも、できなかった
基は諦めてくれなかった
悠子の気持ちよりも、自分のDNAの
方が大切だった
そして、代理出産まで
いってしまった
それでも、自分はできなかった
後ろめたさなどもあり、しぶしぶ
応じたものの、授かった双子が
基の子かどうかわからない
この流れのなか、自分の存在意義を
感じられなくなってしまった
のではないだろうか?
後に、基本人が分析しているように
基への愛も冷めてしまったのだろう
悠子のこれまでの苦悩と
リキへの羨望
本音と建前との狭間で
かなり、気持ちが揺れ動いた結論
なのだと思う



内田有紀さんと吾郎ちゃん
お似合いだよね


基はマチューの散歩中
悠子と出会う
悠子「彼女を怒らせた」
基「怒ったか」

犬の散歩中のご近所さんと出会う
犬の去勢の話

基「去勢しても去勢張ってる
オスはオス」
悠子「女だって、去勢張るわ
マチューも去勢しなくてはダメ
かな ごめんね、人間の都合で」
基「マチューは何も考えてないよ
子孫残せない、一代限りでも
毎日幸せなんだから」
基「俺はそれが耐えられなかった
のかもしれない、一代限りになる
ことが 俺は悠子との子を望んでた」
悠子「あなたは一代限りじゃない」
基「俺の子かどうか……俺はどうすればいい?」
悠子「去勢張ったのなら、張りとお
して 私も同じ、残せるものは仕事
しかないから、せいぜい、去勢張って働くわ」

2人とも、去勢張らずに
仲良く、子育てできたら良いのに





ネットで出産準備品を見ている
千味子
双子が、いきなり来る
準備から、子育てまで、私たちだけ
では無理
悠子さんだって、代理母に賛成した
のだから、生まれるまでの手はず
は整えるべき
せめて、最初だけでも悠子さんか
彼女のどちらか、いてくれたら
どちらかに1年だけでも、いて
もらったら?
基「かわいそうだよ」
記憶に残らないうちに消えてもらう
1年間、母親の気持ちを味わわせて
あげるというのもいいんじゃない?
基「母性につけいるってこと?」
千味子「母親になりたくて、仕方
なかった人と子宮をお金で売った
人よ
母親か、追加報酬か
悠子さんがダメなら彼女に話して
みて、一緒に子育てして下さいって」



千味子さん、さすが、やっぱり
クソ女ムカムカよくもまあ、相手のことを
考えずに、自分に都合のいい
ように、思いつくな
悠子は嫌だから、離れていったわけ
だし、リキは産んだ双子と1年も
いたら愛情が湧いてしまい
離れられなくなって、かわいそう
それはそれで、妻としてずっといて
もらえて都合がよいのね





妊娠34週

基がリキのところにくる
りり子とリキ、基の会話
基「ずいぶん大きくなりましたね」
リキ「双子ですから この一ヶ月で
息が苦しくなりました
横向きじゃないと眠れない
おヘソが裏っ返るとは思わなかった
肉割れがたくさんできた」



ここの場面自体はそんなに重要で
ないけど
私も男女の双子で
横向きじゃないと眠れなかっし
おヘソは裏っ返るし笑同じチュー
肉割れって、太ってもなるけど笑
妊娠線、ストレッチマークなんて
おしゃれな言い方もあるのね
私もストレッチマークだらけに
なったよ
でも、リキは代理母をした
しるしが残ってしまうんだねショボーン

リキはお腹の双子ちゃんたちに
もらった絵本のぐりとぐらの名前で
呼んでいて
私はお腹の子たちをミッキーと
ミニーって呼んでて
なんか親近感音譜音譜音譜




りり子「ひどいよね、烙印、負の
しるし、妊娠したっていう跡が残り
続ける」
基「そんなにネガティブなことで
しょうか?男にはできないこと妊娠
て凄いこと、神秘的、素晴らしい
こと 大変な偉業を成し遂げた証
なのに、負のしるしなんて」
りり子「男の幻想、女を神聖化する
必要ある?リキちゃんは望まない
妊娠なのに」
基「少なくても合意ですよ」
りり子「あなたはお金でリキちゃん
のほっぺた、たたいた 経済格差を
利用した搾取」
基「大石さんもそれを求めた」
りり子「異常だと思わなかったん
ですか?人工授精のために
籍まで入れて、元奥さんを失った」





りり子退席
臨月入るので今後の相談
リキ「復縁しないんですね、驚き
ましたね」
基「俺も残念です、こちらの問題
なんで 不躾な提案して
すみませんでした」
リキ「妻になる気はないです」
基「父親の出産前診断したかったけど、生まれてから改めて」
「自分の子だと判明した時のみ
引き取ろうと思った、俺の横暴が
招いた契約違反だと、大石さんは
言った、実は俺もそう思えてきた
悠子が去ったのも、俺の横暴さが
原因かも?」「卵子と子宮だけを
買う契約だったのに、あなたの
行動すべてを縛ろうとした落ち度を
認めます、遺伝子検査はやめます
どんな子でも俺達が育てる
報酬、成功報酬、すべて払います」
「譲歩するので、一つだけお願い
します 1年間だけ悠子の代わりに
子育てして欲しい、妻になれとは
言わない 1年だけ、お腹を痛めた
子と離れずにすむし、弱った体を
ゆっくり回復できる」
リキ「1年というのは、どういう
線引?」
基「あなたの顔を覚えない、母親の
記憶を植え付けたくない あなたの
拘束時間も短くなる」
リキ「約束できない 産むのは
初めて、どんな気持ちになるか
わからない、この子たちと離れたく
ないのか、産んだらさよならなのか
産んでみないとわからない」
「この仕事で、こんなに色々な感情
が起きるなんて想像してなかった
だから、産んでから考えさせて
下さい」
基「わかりました」
リキ「遺伝子検査だけ、やって
下さい 好奇心ですけど」
基「あなたは凄いですね 俺は
怖くてたまらない、俺ひとりで
育てることができるかどうか
後戻りできない
そのことを思うと眠れない
こんな不安は初めて」


リキが1年間、子育てすること
を承諾しなかったのは驚いたよ
基の良さそうな提案にうまく
乗せられて、イエスと言ってしまう
のではないかと思ったけど
産んだ直後にどんな気持ちだろうと
育てていたら、愛情が湧いてしまう
のはわかりきっている
そのまま、ズルズルと草桶家に
いたら、リキの人生始められない
子宮だけでなく、人生まで
搾取されてしまう

私がリキだったら
産んだら、成功報酬をもらって
1年間育てるふりをして
さっさと逃げる、沖縄がいいよね
悠子に双子を託して

最初に契約違反したのはリキだけど
中絶もできたのに、させずに
どんな子でも、愛すべき
リキの味方だと
言ったのは悠子なんだから
育ててもらうべき
そもそも、このプロジェクトは
草桶家が始めたことなんだから
リキが育てるのはおかしいでしょ



悠子の仕事場に編集者が来ている
観光地を巡る仕事の話をするが
悠子は当分、東京にいないといけ
ない、無理と断る

悠子は代理出産から、離れたと
いっても、生まれるまで、気になる
らしい




リキは破水する

賽は投げられた




ついに、次回、最終回
リキは生んだ後、どうするの?
悠子は?
双子の父親はだれ?
基の子であったら
めでたし、めでたしですが