金曜のひとり温泉。今回は熱海。

箱根の定宿が、現在ひとりでは泊めてくれないからです。少し前までは一泊3万円の露天風呂つきの部屋なら泊めてくれましたが、今はそれもダメ。古典的な、2人以上でないと泊めてくれない温泉宿になってしまいました。

これには事情があって、その事情も聞いていますので、早くコロナ以前の自由に旅行のできる世の中に戻ってほしいと願うばかりです。要するに部屋の清掃等のメンテの工数とコストの問題ですね。

箱根がダメなら熱海にしてみるか、というので、熱海を探してみますが、こちらもお金を出すのならひとりでも泊めてくれますが、あるいは素泊まりならたくさんありますが、せっかくの静養なのに素泊まりはしませんよね。

みつかったのが、「ホテルサンミ倶楽部別館」というところ。行ってみると、まずはなんだこれ、という立地で、駅から徒歩だと、道路を渡るポイントを誤ってしまうと、道の向こうに見えているのに、クルマの往来の激しいところなので、そこへ行けない、ということになっています。

海とは道路一本をへだてただけの海べりですが、その道路がまた自動車専用道路なのか何なのか、一晩中びゅんびゅんと部屋の窓の外をクルマが通ります。

今、私は腕と背中の神経痛のため、ベッドでカラダが沈むととても痛い、という状況で、その上にこれでは本当におちおち寝てもいられませんでした。マクラがよかったのと、クッションも使えるので、このクッションを抱き枕的に使えるので、前橋のホテルよりはいくぶんよかったです。

肝心の温泉は、金曜日の「露天風呂」は、タタミ2畳もないようなちっぽけなもの。この宿の部屋数がそもそも12室程度なので、他のお客さん、しかも男性とかち合う確率は高くないのですが、それでも、これもおちおち入っていられません。

土曜にはこれが「大浴場」に替わる(男湯と女湯が替わる)のですが、その大浴場も、箱根の宿の大浴場のジャグジーくらいの広さ、タタミ4畳ほどしかありません。これも拍子抜けというか、期待外れというか。

金曜の夕食は3種のなかから天ぷらがメインのものを選びました。茶碗蒸しと先付けがきて、揚げたての天ぷらがすぐにくるのはよいのですが、ごはんと味噌汁がなかなかきません。ちみちみと食べても、ごはんがくるころには海老(これは立派な海老)半尾しか残っておらず、おかわりしたごはんは、てんつゆとお新香で食べました。

土曜の朝食は旅館の朝食としては標準的なものでしたが、豆腐ふたかけを固形燃料で熱する湯豆腐にはポン酢がつかず、卓上のしょうゆと薬味で食べるのだそうです。これも固形燃料で熱する干物(選べる:私はカマス)は、なかなかイケましたが、食事は全般に、思っていた温泉の食事と違う。

よくわからないのですが、この変な立地といい、少ない部屋数といい、ココって、別館ではない「サンミ倶楽部」に泊っているツアーなり団体なりの人たちの、お付きの人とか添乗員さんとか、運転手・ガイドさんが泊るためのところなのではないだろうか。

リピートするか、というと、しません。背中と腕の痛みに温泉は効果がある、ということは確認できましたが、立地と食事のせいで、少しもくつろぎ感というか、特別感がありません。

箱根、南風荘のシングルルームって、本当に貴重なものだったのだな。トホホ。