【016】結婚は恋愛の行きつく先ではない | <人生終盤男から若者への伝言>

<人生終盤男から若者への伝言>

日本人の平均寿命は男が81歳。
「健康寿命」は72歳である。
さて、新型コロナの渦中!残りの人生をどう生きるか?
私は70年の人生で学んだ事、感じた事を若者に伝えようと決めた。
私の生き様が、一つでも若者の生きる糧になってくれれば、
目的は達せられた事になる。

【016】結婚は恋愛の行きつく先ではない

◆子供を産み育てる役割

21世紀になってやっと人類は「飢え」から解放された。
人類はついに飢えを克服する事が出来たのだ。
結婚制度は家族を飢えから守る事に貢献してきた。
 
しかし、結婚制度にはもう一つ大きな役割がある。
それは子供を産み育てるというものだ。
 
世界中どこでも、子供を産み育てるのは、家族の役割りだ。
多くの家族は夫の収入で、家族を養っている。
この家族が崩壊した場合、誰が子供を育てるのだろうか?
 
離婚により家族が崩壊した場合、子供を育てるのは母親達だ。
いわゆるシングルマザーの誕生だ。

◆養育費はもらえるのか?

法律上、子供の養育費は離婚した夫も支払う義務がある。
しかし母親達が離婚後に元夫から養育費を受けとっているのは、全体の20%程度しかいないのが現実だ。
 
養育費の支払いについて事前に合意していても、実際には支払ってもらえない事が多いのだ。
又、最初は払っていても、途中で支払いが途絶えることも珍しくないのだ。
 
つまり離婚した夫からの養育費は、あてにならないという事だ。
こんな時、シングルマザーが経済的に頼るのが、両親のいる「実家」だ。
 
両親が健在で財産がある家なら、大いに助けになるだろう。
しかし財産もなく、両親がすでに離婚している場合も少なくない。
「実家」があてにならない時、シングルマザーは窮地に立たされる。

◆シングルマザーは貧しい

日本でもバツイチが当たり前になってきている。
多くのシングルマザーが誕生し、社会問題になっている。
 
多くのシングルマザー達の生活は貧しく厳しい。
子供に満足な教育を受けさせる事もままならないのだ。
そればかりか、生活に困って売春に手を染めてしまう者さえいるのだ。

◆シングルマザー達による「割り切り」

女手一つで子供を育てるシングルマザー達は、生活が厳しい。
生活苦からシングルマザー達は「割り切り」を始めてしまうのだ。
「割り切り」とは出会い系サイトにおいて、「お金で割り切る関係」という意味で、一言でいえば「売春」である。

◆出会い系のシングルマザーたち

実は現在の風俗業界を支えているのもこの「シングルマザー達」なのだ。
多くの「シングルマザー達」が水商売、そして風俗業界、さらに「割り切り」へと流れていくのだ。
シングルマザー達が「割り切り」と呼ばれる売春にのめり込む状況をレポートした本がある。
   https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/715c8NJs-LL.jpg
 
「出会い系のシングルマザーたち―欲望と貧困のはざまで」
著者:鈴木 大介
 
アマゾンで買えるので一読する事をお勧めする。
以下少しだけ内容を抜粋する。
 
・中井さん(仮名)は23歳で結婚し、子どもを産んだが、借金癖・女癖の悪い夫と破局。
元旦那の借金を肩代わりしつつ、看護師として働いていたが、うつ病になってしまった。
母親も病気で倒れた。
うつの病床で出会い系サイトを使って男と出会い、1万円を「借りた」。
 
①極まった経済的困窮があるから、体を売ることを考えた。
②風俗店は過酷な環境を強いられるため、ピンで売春することを考えた。
③そこには出会い系サイトをはじめとするインフラが整っていた というロジックがあるが、取材対象者の2割強がきっかけについて
「だって、寂しかったから」と回答した。
彼女らがしていることは売春だ。
 
しかし、彼女らは出会い系に仕事と収入ではなく、明らかに救いを求めていた。
 
・「売春に生活費を依存する」という選択にまで追いつめられていながら、取材対象者のほとんどが、生活保護を受けていなかった
 
・理由の一つは、生活保護の申請がなかなか通らないこと。
「なぜ働けないのか?」「元夫のとの養育費の話をやり直せないのか?」とイジメのように社会福祉事務所に問いただされる。
 
・生活保護を受けているだけで「泥棒扱い」を受ける、と吐露する取材対象者も。
生活保護を受けていることを原因に、子どもがいじめに遭う。
 
・「バレない売春で稼ぐ方が、生活保護の差別よりマシ」。
 
格差社会の底辺から抜け出せない彼女達は、出会い系に救いを求めているのだ。
---以上---
 
<Amazonレビュー>
◇生活に困窮するシングルマザーの現状が良く分かる
  2017年2月4日
生活に困窮しているシングルマザー達の実情が良く分かった。
子供を維持しながら仕事をしてお金を稼ぐのは非常に大変である。
彼女達のなかには生活を維持するために出会い系サイトや水商売などの闇のセーフティネットに身を落とすものも多いという。
子供のことも考えると、本来的には最低限の生活が維持できない場合はプライドを捨ててでも生活保護などの社会保障を利用すべきと思うが、日本の村社会は弱い者いじめをする傾向があるので、地域社会に助けを求めたところで、そこで生きていくのは生き恥をさらすような恥ずかしさがあるのかもしれない。
非常に考えさせられる一冊。

◆シングルマザー達の苦悩

社会保障制度がある日本においても、母親が一人で子供を育てる事は容易ではない。
離婚した夫が養育費を払ってくれる可能性は、20%程度と決して高くはない。
たとえ裁判で金額を決められても、支払い能力が続くとは限らないのだ。
 
出生率が年々下がり続け、人口が減っても、国が子供の養育を保証してくれる日が来るとはとても思えない。

◆離婚率が高止まり

離婚率は21世紀に入り、35%と高止まりしている。
離婚率
 
(厚生労働省「平成27年人口動態統計」より)
 
離婚率35%とは、3組に1組が離婚している事になる。
バツイチが当たり前の時代が来たのだ。

◆バツイチ時代の結婚観

それならば私達は、そんな時代に対応した生き方を選択する必要がある。
今世間に広まっている結婚観は、結婚した相手と生涯を添い遂げる人生観だ。
それは時代に合わなくなってしまった。
 
誰もが一度や二度は離婚を経験する時代が来たのだ。
10年ごとに離婚して相手を変える時代がくるかもしれない。
しかし問題が一つある。

◆子供を20年かけて成人させる

結婚の目的の一つは、子供を産み20年間育てあげ、社会に巣立つまで責任を持つことだ。
社会や宗教が離婚を嫌う最大の理由は、子供が成人するまで夫婦は責任を持たなくてはならないからだ。
 
子供の養育は社会や国家の基盤なのだ。
法はその為に夫婦を守るように出来ているのだ。

◆養育の肝は経済力

離婚をしながらも、子供が成人するまで養育を続けるには、大きな経済力が必要だ。
この経済力を持たないまま離婚すると、「シングルマザーの悲劇」が起きるのだ。
 
つまり、好きな相手と結婚するより、経済的に安定した相手と結婚する方が、子育てには良いと言う事だ。
たとえ離婚しても、子供を養育出来るような相手と結婚すべきではないかという事だ。
 
バツイチ時代の結婚観は、経済力重視という事になる。
しかしこれはなかなか受け入れられない価値観だろう。

◆恋する人と結婚したい

人は幸せになる為に結婚する。
その為に、好きな人や恋しい人と結婚したいのだ。
子供を産むかどうかは、その後で決める事だ。
 
つまり順序は、好きな人と結婚してまず自分が幸せになる。
そして、好きな人の子供を産んで夫婦で育てあげる。
これが順序だ。
 
経済力は勿論あった方が良いが、最初に考える事ではない。
まず自分が幸せになる為にこそ結婚するのだ。
 
結婚するのは好きな人や恋人が出来てからと、誰もがそう考えている。
しかし、私はそう考えてはいない。

◆私の結婚観

私の意見は、結婚を恋愛の行きつく先と、とらえるべきではないという事だ。
今まで誰もこの事を言わなかった。
あらゆる恋愛小説、恋愛ドラマの行きつく先は結婚だった。
私達は完全に洗脳されてきたのだ。
 
もう一度言おう。
結婚を恋愛の行きつく先と、とらえるべきではない。
恋愛には結婚よりも同棲が似合っている。
 
なぜなら恋は終わるからだ。
恋が終わったら二人は別れれば良いのだ。
そこに問題はない。
 
結婚は恋愛と言うイベントを終えた者が、人生のパートナーとして互いを認め合う所から始まると私は考えている。
結婚は、夫婦が子供を産み育て、社会に巣立つまでの20年間見守る事を前提としている。
まさにそこに夫婦としての喜びを感じる事が出来る者達が、行うべきものだと考えている。
 
そこに必要なのは恋愛ではなく、人生のパートナーとして互いを認め合う事だ。
お互いに人間として信頼しあう事こそ、最も重要な事なのだ。
結婚で最も大切なのは、恋愛感情ではないと言いたい。
 
恋で始めた結婚は、恋が終わったら分かれるのだろうか。
世の中には恋が終わってしまった夫婦が、悶々として結婚生活を続けている事が多くある。
8月1日に離婚した、杏と東出昌大など、まさにその好例だ。
 
何度も言うように、恋はやがて終わる。
しかし子供は20年かけて育て上げなければならない、遠大な事業なのだ。
 
結婚には恋人ではなく、人生のパートナーを選ぶ事をお勧めする。
人生のパートナーなら冷静な目で相手を吟味する事が出来る。
 
それは人格や人間性、価値観、お互いの相性を見るという事だ。
共に子育てをする人生のパートナーを、吟味して選ぶという事だ。
そして経済力は大きな要素である事は間違いない。

◆結婚する前に気づいていた

私はこの事に、結婚後に気付いた訳ではない。
自分が結婚する前にすでに気づいていた。
 
私の恋愛は25歳の時に終わっていた。
30過ぎて結婚するまでしばらく時間があった。
 
私は人生のパートナーとして妻を選んだのだ。
結婚してすでに35年になる。
私の選択眼は、間違っていなかったようだ。
 
思い起こすに結婚しようと決めた時、私は無職だった。
財産は布団1組だけ。
貯金もほぼない状態だった。
そんな私に良くついてきてくれたものだと感心する。
 
人生を一人で生きる事も出来るが、それは何か味気ない。
私は結婚する道を選んだ。
そして子供を二人育て上げた。
 
日本の昨年の出生率は1.36と最低だった。
このままでは日本人がいなくなってしまう。
 
若者よ、とっとと結婚して多くの日本人を産み育てて頂きたい。
 
【017】につづく