『越路吹雪物語 第1週』

2018/01/08-

脚本　龍居由佳里
演出　藤田明二、今井和久
音楽　森英治、S.E.N.S. Company
ナレーター　真矢ミキ

出演

河野美保子（越路吹雪）/
岩淵心咲→瀧本美織→大地真央

岩谷時子/市毛良枝

父・友孝/尾美としのり
母・益代/濱田マリ
姉・真佐子/渡邉このみ

村上静/宮崎美子
片桐八重子/神尾翠優
武藤大介/吉成翔太郎
時田宗男先生/遠山俊也

第１週
♪主題歌
すみれの花咲く頃/
瀧本美織

日本を代表するシャンソン歌手・越路吹雪。
彼女のライブ・チケットは
プラチナ・チケットと呼ばれる人気ぶり。
ステージ前、緊張でたばこを次々に吸って
落ち着きのない彼女に
作詞家・岩谷時子が声をかけて送り出す。
「あなたは虎、お客様は猫よ」

そして吹雪は
満員の観客の前で、素晴らしい歌唱を披露する。

－昭和７年（1932年）の東京。
小学生の美保子＝吹雪は
授業中も歌ってしまうほど
歌の好きな元気な女の子。
だが勉強は嫌い。
あだ名はコーちゃん。

両親と病弱な姉・真佐子、
妹、弟と暮らしているが、
母・益代は真佐子にかかりっきりで、
美保子は自分が転んで怪我をしたことも言い出さない。

母の留守中に真佐子が吐血し、
おぶって病院まで行き、脚は血だらけ。
そんな美保子を見つけて父が手当てをする。

父が急に新潟への転勤が決まり、
美保子だけを連れて引っ越すことになった。

下宿先の主人・静が
「友達を連れて来ていい」と言ってくれて喜ぶ美保子。
これまでは真佐子がいたので出来なかったのだ。
だが転校先の級友は美保子によそよそしい。

授業中に空を見て歌を歌う美保子に
八重子は心を開く。
皆が警戒しているのは、以前東京から来た転校生の
心象が悪かったせいだった。
２人は秋桜の海を走り、
それから皆も美保子に打ち解けるようになる。

日本が日中戦争へと向かっていた頃、
千人針をする静に
「虎年の女は年の分だけ縫う。
それは虎が千里の道を進んで、
千里の道を戻って来るからだ」と教わる。

美保子は算数のテストで15点を取り、
武藤ら男子から
「15」と呼ばれるようになってしまった。

放課後に友達を呼ぶようになった美保子だが、
八重子は幼い姉弟の面倒や、畑の手伝い、
母親の具合も歩くて、学校にも来られないでいた。

父と町へ買い物に出た美保子は
父に秋桜のブローチをプレゼントしてもらうが、
刺繍のハンカチを見つけて
八重子にプレゼントすることにした。
喜ぶ八重子。

美保子は八重子に見せるために
ブローチを持って登校するが、
それを武藤に見られて
テストを捨てたことで
一人居残りになった帰り道に
川に投げられてしまう。

必死で探す美保子。

夜になっても帰宅しない美保子を
雪の降る中、村人たちと捜索する父。
その様子を見た武藤は
土手で美保子を見たことを教える。

友孝は美保子を発見、
美保子はブローチを無くしたことを謝る。

翌日、武藤が
ブローチを見つけて謝りに来る。
美保子は彼を罵倒しつつ感謝し、
武藤も
「算数は15点だが歌は100点だ」と言って、
２人のわだかまりは消える。

－昭和12年（1937年）。
美保子は高等女学校に通っていた。

（感想）

かつてNHK-BSで
昭和38年の紅白の再放送を見た際、
そこで「ラストダンスは私に」を
格好良く歌う吹雪に魅了された。

楽譜どおりに歌うことが
必ずしも感動を呼ぶわけじゃない、
－シャンソンはそういうジャンルなんだと思う－
歌にはドラマ性が必要なんだということがわかるステージを
この時代からやっていた凄い人。

父の墓参りの後にCDを買った。
それを見た母は
「あらー、やっぱり父子ね。
お父さんも越路吹雪のファンだったのよ」と言った。
何だか不思議だった。

リアルタイムの吹雪は全然知らない。
逝去の時に
ワイドショーで歌う様子が流れて
「お化けみたいなおばさんだな」と思ったのは覚えている。
小学生だった。

このドラマ、観るつもりはなかったんだけど
－ハマると面倒臭いので－
↓大地の歌唱と、

本物の越路さん。

↑ピーターのほうが似てるけどね。

岩淵の自然な演技と
素直な歌唱に惹きつけられて観賞開始。
前作「トットちゃん！」より
遥かにいい出来だ。
わざとらしさのない演出に好感が持てる。

今は仲のいい父子だが
後々吹雪は父の溺愛を嫌がっていたと聞く。
その顛末も描かれるといいけど。

子役時代はもう終わってしまって残念だけど、
来週からも楽しみ。