昨日の事ですが、12月29日は東京銀座にあったシャンソン喫茶「銀巴里」の閉店の日(1990年)を記念した「シャンソンの日」でした。若き日の美輪明宏さん、金子由香里さん、長谷川きよしさんらが出演され、観客として三島由紀夫さん、なかにし礼さんらの著名人が出入りしていたという由緒あるお店です。しかし、ジャズファンの人達にとって銀巴里といえば何と云っても「銀巴里セッション」でしょう。それは、1960年代前半にシャンソンのステージが終わった後の深夜から明け方にかけて行われたジャムセッションのことです。新しいジャズを模索し開拓していた若き日の日野皓正さん、菊地雅章さん、山下洋輔さん、高柳昌行さん、富樫雅彦さん達がその成果を披露し合ったという日本版ミントンズ・プレーハウスのような場所でした。その音源は10数年後にTBMでレコード化されましたが、当然のことながら音は全然良くないものの当時の日本のジャズがいかにハイレベルだったかが十分に伝わってきます。また、片田舎の愛知県岡崎市から夜行列車で重いレコーダーを抱えて上京し、その模様を録音された内田修氏には本当に頭が下がります。モカンボセッションと共に現存するジャパニーズジャズの貴重な記録だと思います。