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の続きです。

イ 扶養的財産分与と補充性

 当然ですが,清算的財産分与や慰謝料を受領しても,離婚権の生活に困窮うることがありえますよね。この場合に,補充的に認められるのが扶養的財産分与です。

 

 ここでは,裁判時(判決であれば口頭弁論終結時)を基準として,その時点の特有財産も含めた双方の資産,負債,双方の稼働能力を比較したうえで,申立人の扶養の必要の程度と相手方の扶養能力を検討することになりますが,弁護士は,具体的金額について,公的扶助や他の親族からの扶養なども考慮し,申立人が生計を維持できる程度の金額とし,一般的には自活するまでの期間を考慮して算定していきます。

 

慰謝料的財産分与を請求する実益

 実は,離婚慰謝料に関しては,不法行為に基づく損害賠償請求権が発生します。

 ここで弁護士は,こ民事訴訟を人事訴訟法17条に基づいて併合して,離婚とともに訴えを提起する事件が多くあります。

 この場合には,うまくいけば,慰謝料的要素は財産分与の判断要素からは落とされることになります。せいぜい,慰謝料的要素を加味しないと,希望する現物給付(居住用不動産の移転など)が認められない場合だけに限って,慰謝料的要素として主張されることがあるとされています。

 

2 婚姻費用の算定方法とその考え方

 話は変わります。

(1) 姻姻費用分担の問題は,夫婦の関係が破綻し離婚に至った場合に離婚が成立するまで

  の夫婦の住居(同居or 別居)や生活費等の分担の問題です。

 

(2) 標準算定方式

  次の手順により分担すべき婚姻費用が算定される。

  ① 権利者の総収入から基礎収入Yを,義務者の総収入から基礎収入Xを認定

  ② 生活指数に基づき,権利者及び同居の子の生活費Zを算定

 

※ 権利者及び同居の子(権利者・義務者は各100,子は0歳から14歳までは55に人数分を乗じて,15歳から19歳までは90に人数分を乗じてCを算出) 

  ③義務者Yの負担すべき婚姻費用Mを算出

  ④特別に考慮すべき事情に基づく費用Aを加減

(義務者がすでに支払っている場合はこれを控除,別途支払うべき場合は加算

   Z=(X +Y) ×(100+C)÷(100+100+C)

M=Z-Y±A

 

   この簡易算定式に基づき算定される婚姻費用の額について整理したものが簡易算定  

  表なのです。

 

   表の横軸には権利者の総収入,縦軸には義務者の総収入が記載されているから,

  1) この人数と年齢に従って使用する算定表を選択し,

  2) 当該表の権利者及び義務者の収入欄を給与所得者か自営業者かの区別により選び

   出し

  3)義務者の収入と権利者の収入の該当欄を交差させた額が標準的な婚姻費用の額とな」

   ります。

 

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弁護士 齋 藤 健 博(虎ノ門法律経済事務所)

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