ドクターレオンと健太君 | Kataoka Yukihiko 心の赴くまま「 Ring the Liberty Bell 」
ドクターレオンと健太君

御用とお急ぎてなかったら、寄ってってください。

短編童話です。

…………………………………………………

健太はお母さんに連れられ、森のお医者さんドクターレオンのところにやってきた。

「ねぇレオンさん、ひまわりが元気なくなっちゃったの。見てもらえませんか。」
「ちょっと見せてごらん。どれどれ…」レオンさんは、ひまわりに聴診器を当てて診始めました。

「よーしわかったぞ。」

「ホント!良かった!」喜ぶ健太。

「少し健太君に質問するから正直に答えてね。」レオンさんは、視線を健太に合わせてしゃがんだ。

「健太君は、夏休みに海やプール派行ったかな?」

「行ったよ!一杯行ったよ!25m泳げるようになったよ!」

「それはすごい!次の質問は、虫取りは行ったかな?」

「行ったよ!朝早く起きて、カブトムシやクワガタも採ったよ。お母さんに起こされなくても一人で起きたよ!」

「そうか、えらいぞ!次は、自転車でとこかに行ったかな?」

「行ったよ!友達と二人で隣町まで、おばあちゃんのおつかいに行ったよ!」

「本当にえらいな、健太君は。そんな元気に色々なことができるのは何故だと思う?」

「何だろう?う~ん…ご飯を一杯食べるからかなぁ?」

「そうか、一杯食べるんだ。何が好きだい?」

「お母さんの作ってくれるオムライス!とっても美味しいんだよ!ねぇお母さん!」と隣にいるお母さんの方を向く健太。

「オムライスかぁ。美味しそうだね。私も食べてみたいな。」

「うん!良いよ!今度一緒に食べよ。いいでしょお母さん!」何も言わずにニコニコしながらうなずくお母さん。

「じゃあ健太君。ひまわりさんの大好物って知ってる?」

「う~ん。よくわかんない…」

「ひまわりさんは、お水が大好物なんだよ。しかも朝一番の。健太君は、ちゃんとひまわりさんの大好物をあげてたかな?」

「う、う~ん、時々…」

「健太君もご飯を時々食べるんだと元気が出ないよね。だからひまわりさんは、下を向いてしまってるよ。これは元気がなくなった証拠だよ。明日からお水をあげれば元気になるよ。どうする、健太君?」

「分かった!明日から、起きたらすぐにお水を上げるようにするね!」

「ありがとう、レオンさん!」

これ以上ない笑顔でお礼を言う健太君。そして、大事そうにひまわりを抱えて帰る健太君の姿があった。


おしまい