突然ですが、みなさんは何かアレルギーをお持ちですか?
「小麦、卵、乳製品、そば等の食品アレルギー」
「ピアス、ネックレス等を付けるとかぶれる金属アレルギー」
「犬や猫などの毛による動物アレルギー」
「スギやヒノキ等の花粉アレルギー」
今や日本人の約30%は何らかのアレルギーを持っていると言われています。
通常、人間にとって害でないものでも、
アレルギー体質の方は敏感に反応してしまいます。
一体、カラダの中でアレルギーはどのようにして起きるのでしょうか?
また、アレルギー症状はどうやって抑えることができるのでしょうか?
今回は、アレルギーが起こる仕組みと
市販薬でアレルギーを抑える仕組みをご説明致します。
アレルギーとは
通常、人間のカラダには、細菌やウイルスなどの外敵や異物から
カラダを守るために「免疫」という防御システムがあります。
この免疫システムが、ある特定の物質に対して
過敏に反応してしまい、さまざまな症状としてあらわれます。
これを「アレルギー」と呼びます。
アレルギー症状には
「なみだや目のかゆみ等」の結膜炎症状
「鼻水やくしゃみ等」の鼻炎症状
「じんま疹や湿疹、かぶれ等」の皮膚症状
「むくみや腫れ」など
アレルギーによって引き起こされる症状はさまざまです。
また、アレルギーの原因はひとつだけではなく、
人によって異なり、さまざまな物質でアレルギーになりえます。
食品:小麦、卵、乳製品、そば、落花生など
ハウスダスト:ほこり、カビ、ダニの死がいなど
化学物質:工場や車の排気ガスや医薬品など
金属:ニッケル、コバルト、クロム
例(ピアス、ネックレス、腕時計、メガネなどの装飾品)
動物:犬や猫などのペットの毛
花粉:スギ、ヒノキ、ブタクサ、マツ、イネ、ヨモギなど
これらのアレルギーを引き起こす原因物質のことを「アレルゲン」と言います。
*アレルギーになる要因はひとつだけでなく、複数のアレルゲンが関係していることが少なくありません。
例えば、工場や車の排気ガスと花粉によるアレルギーは密接に関係していると言われています。
そのため、花粉症は郊外の田舎より都心で生活している人に多いとされています。
アレルギーが起こる仕組み
アレルギーが引き起こされるには、カラダの中で一連の流れがあります。
アレルゲンが体内に侵入
↓
アレルゲンを免疫グロブリン(抗体)が認識
↓
抗体によって、肥満細胞が刺激され
ヒスタミンやプロスタグランジンなどの物質が遊離
↓
ヒスタミンが特定のタンパク質(受容体)と反応
↓
ヒスタミンが結合した受容体からの刺激で
血管拡張、血管透過性亢進などの作用
↓
アレルギー症状の発現
詳しく説明していきます。
まず、アレルギーにはアレルギーが起こる準備段階があります。
これを「感作状態」と呼びます。
アレルゲンが体内に入り込むと、異物をカラダの外に出そうとリンパ球が戦います。
そして、一度戦った相手(異物)をリンパ球は忘れず覚えており、「免疫グロブリン」という抗体を作り出します。
抗体が出来てしまうと、血管のまわりにある細胞のひとつ「肥満細胞」と結合し、アレルゲンを待ち受ける態勢を作ってしまうのです。
これが「感作状態」です。
*肥満細胞は生理活性物質を細胞の中に蓄えるために細胞自体がふくらむことから名づけられました。肥満とは関係ありません。
感作状態になった状態でアレルゲンが体内に侵入してくると、肥満細胞と結合した抗体に反応し、肥満細胞を刺激します。
刺激された肥満細胞はアレルゲン(外敵)の侵入をカラダの各部位に知らせるため、ヒスタミンなどの生理活性物質を放出します。
放出されたヒスタミンが特定のタンパク質(受容体)に結合すると、その刺激でくしゃみや鼻水、かゆみなどのアレルギー症状があらわれます。
「かゆみ」はヒスタミンがカラダの各部位の知覚神経を刺激して起こります。
「くしゃみや鼻水」は知覚神経の刺激が脳の中枢に伝わり起こります。
また、ヒスタミンには血管を広げる作用もあり、鼻粘膜が腫れることにより「鼻づまり」が起きるのです。
要するに、アレルギーにはヒスタミンが大きく関係しているのです!!
アレルギー症状を抑える仕組み
では、アレルギー症状をおさえるにはどうしたらいいのでしょうか?
それは...
ヒスタミンのはたらきをおさえればいいのです!!
「くしゃみ、鼻水、鼻づまり、なみだ、目や皮膚のかゆみ」
これらの症状は、肥満細胞から放出された
ヒスタミンのはたらきによって起こります。
ヒスタミンの作用をおさえることで
アレルギー症状を緩和できるのです。
ヒスタミンの作用をおさえる医薬品の成分を
「抗ヒスタミン成分」と言います。
市販の鼻炎薬やアレルギー用薬は、この抗ヒスタミン成分を主体として作られています。
アレルギー症状を緩和させるには、
抗ヒスタミン成分が必要と覚えておいてください!!