ウクライナの空を舞うトルコ製のドローン(1) | 高橋和夫の国際政治ブログ

ウクライナの空を舞うトルコ製のドローン(1)

バイラクタールの唄


2022年2月24日に始まったロシアのウクライナに対する全面的な侵攻は、短期戦での前者の勝利という大方の予想をくつがえして長期化した。本稿の執筆時の段階で戦争は既に3か月目に入っている。これは、大方の予想が外れるのは、中東ばかりではないと証明する事例でもある。


予想が当たらなかったのは、ウクライナ軍が過小評価されていたからである。そのウクライナ軍の予想外の善戦を支えているとされる兵器のルーツについて、論じたい。その兵器のひとつはトルコがウクライナに輸出したドローン(無人機)である。

https://twitter.com/MFA_Ukraine/status/1527590165333610497/photo/1

上の表のように、今年5月20日に発表されたウクライナ軍の推定では、ロシア軍は27000名以上を失っている。また1200輌以上の戦車、3000輌近い装甲車輛など装備の面でも大きな損害を出している。どういう手段によって、それぞれが破壊されたのかの内訳は示されていない。だが現場からの映像などは、車輛の損害の相当な部分がウクライナ軍のドローンによるものだろうと推測させる。特に破壊されたロシア軍の戦車の1200輌という数値に注目したい。日本の防衛白書の最新版によれば、陸上自衛隊の戦車保有数は、570輌である。ウクライナ軍は、人口1億2千万の日本国の保有戦車の総数の2倍の数を破壊した計算になる。それも過去3か月ほど短期間での戦果である。ウクライナ軍がロシア軍の戦車に与えた被害の大きさが想像できる。またロシア軍の艦船や対空防衛兵器の損害も少なくない。ここでは地対空防衛システムの損害93基と記されている。こうした損害の大きさが、ロシア軍の苦戦を物語っている。


バイラクタールと呼ばれるトルコ製のドローンの活躍はウクライナでは広く知られており、この兵器を讃える歌が作られ唄われているのをユーチューブの映像などで確認できる。このドローンの正式名称はバイラクタールTB2である。


>>次回につづく