ミャンマーの若者たちは軍の弾圧をブログで世界に発信 | 権力とマイノリティ

ミャンマーの若者たちは軍の弾圧をブログで世界に発信

ビルマ・デモ アウン・サン・スーチン

■パンドラの箱を空けたミャンマーの軍事政権
 先週の週末は、ミャンマーと沖縄で相次いで大きな動きがあった。わたしは、脊椎官狭窄症の再発で寝込んでいたため、ちゃんとニュースをチェック出来なかったのだが、週明けになり、テレビが続報をしていたので、夕方のニュースを見ていた。
 ミャンマーの軍事政権は、もう20年も続いているわけだが、今回の僧侶らの抗議デモに対して一般市民が呼応するが、大変早かった。それは、軍事政権の弾圧の様子をすばやくインターネットのブログなどで、発信した若者たちの影響力が大きかったという。その様子をNHK「クローズアップ現代」が取り上げていたのが、とても興味深かった。

■ブログで軍の弾圧を海外に発信
 軍の近代化に向けて軍事政権がインターネットの整備を始めたミャンマーでは、軍の僧侶や市民に対する弾圧を目撃した若者が、インターネット・カフェから、その目撃情報をデジカメに撮り、その映像を言論統制の中をかいくぐり、海外に発信した。それら複数の情報をキャッチしたタイ・バンコクの若者などが、ひとつのサイトにまとめ、ミャンマー・ヤンゴンの人たちに発信することで、実際にヤンゴンで起こっていることを、ネットを通じて、ヤンゴンの一般市民が知ることになった。
 軍事政権はデモ隊を制圧したと宣言した。現在ヤンゴンなどのインターネット・カフェなどは、封鎖されてしまったが、まだ水面下でミャンマーの人びとの抵抗は続いている。
 ゲスト出演していた上智大学教授の根本敬さんは「日本はビルマの軍事政権に対する経済制裁を含め、民主化に対する国際的な声を高めていく必要がある」と話す。決してミャンマーの軍事政権の問題は人ごとではない。

●NHKクローズアップ現代 10月1日(月)放送
閉ざされた国で何が~ミャンマー最新情勢~

http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku2007/0710fs.html
 軍事政権に対する僧侶らの抗議デモが続くミャンマー、緊迫する情勢に世界の目が注がれている。軍事政権は、ついに武力を使ってデモの鎮圧に乗り出し、日本人を含む多数の死者が出ており、事態はさらに悪化する懸念が高まっている。軍事政権による独裁が続き、国際社会から閉ざされてきたミャンマー。今回のデモは、軍事政権がガソリンなどの燃料価格を5倍に引き上げることに端を発し、僧侶たちのデモに一般市民が次々と合流。

 民主化運動のリーダー、アウン・サン・スーチーさんの解放を求めるなど、民主化を求める大きなうねりとなっている。閉ざされた国でいったい何が起きているのか。デモの背景にある軍事政権に対する市民の不満や、インターネットを通して、連帯していった若者たちの姿を描きながら、緊迫化するミャンマーの最新情勢を伝える。


●ビルマ情報ネットワーク
http://www.burmainfo.org/politics/88GSG_200708.html