徒然なるままに、沢田研二日記『勝手にしやがれ』 | 権力とマイノリティ

徒然なるままに、沢田研二日記『勝手にしやがれ』

勝手にしやがれ

1977(昭和52)年5月発売。日本レコード大賞受賞。
作詞・阿久悠 作曲・大野克夫

壁ぎわに寝返りうって
背中できいている
やっぱりお前は出て行くんだな

バーボンのボトルを抱いて
夜ふけの窓に立つ
お前がふらふら行くのが見える

別にふざけて困らせたわけじゃない
愛というのに照れていただけだよ
夜というのに派手なレコードかけて
朝までふざけよう ワンマンショーで



 阿久悠は著書で、次のように書いている。
「昭和五十二年、『勝手にしやがれ』は、年末の音楽賞を総ナメにした。その二、三年、ぼくはどういうわけか大晦日に高熱を発するようになり、その時も三十九度近い熱であった。帝国劇場のステージに上がった。ただし、レコード大賞授与の様子はあまり覚えていない」

 あるいは、こうも述べている。
「沢田研二の魅力は圧倒的で、直接言葉を交わすのが憚られるような雰囲気があった。・・・美女を前に茫然自失、空洞になってしまった頭で立ちつくすような感じ」

「真っ直ぐに、熱烈に愛することに照れるというのが、一種のトレンドのような時代で、素直であれば幸福になれるのに、斜に構えて不幸になるというのが多かった」

「勝手にしやがれ」のタイトルは、ゴダールの映画に由来するが、阿久悠自らが、代表作・真打ちという歌なのだ。

 阿久悠は「レコード大賞授与の様子はあまり覚えていない」と述べていたが、1977年のレコード大賞受賞の映像に阿久悠の姿も、しっかりアップされています。もうひとつは、紅白歌合戦の映像です。