極端な斜視と事故で歪んだ鼻と、見た目からして嫌悪の対象として扱われたホンカはいかにして殺人鬼に変わるのか。幼少期の体験、戦争やアルコール依存の父に振るわれた暴力と、そして自身のアルコール依存。どれをとっても救いようのないような悪の塊に感じるけれども、その彼も交通事故の際には人生のやり直しを計画する。しかし、それも失敗に終わり結果、殺人鬼として逮捕されるワケですが、そこにあるのは自己の評価と承認の喪失のようなものを感じます。バーの仲間である軍人は自らの力を常に振り回し続けていたのも印象的で、彼はホンカの願望のようなものだったのかと、感じるところです。しかし、そんな力もないちっぽけな自分というものを、ある側面からは理解しつつも、そうではないと自己のコントロールを失ってしまい暴力を振るって殺人を犯してしまう、そういう人物像が描かれているように思います。