作品自体は裁判の記録や彼を取り巻く証言記録から抽出したような印象を受けます。いくつかネットで調べた記録からもその印象は正しいようで、そうなってくるとシリアルキラーであるはずのテッド・バンディという男について変な気分になります。シリアルキラーである彼に対して妙な魅力を感じるのです。だからこそ、彼がそういった犯罪を続けてきたのだとは思うのですが、そこで気になるのが原題の『Extremely Wicked, Shockingly Evil and Vile(極めて邪悪、衝撃的に凶悪で卑劣)』の言葉。死刑判決を下した判事の裁判記録から取ったそうで、作中の判事のセリフも裁判記録を基にしたものだそうで、きっと判事は自ら弁護を続けるテッド・バンディという外見や発する言葉に不安を感じつつも魅せられてもいたのかと、思います。結果としてはそういったものに惑わされることのない判決ではあったのですが、被害にあった女性たちの観点からは、そういった危険は常に隣り合わせているのだと、そういう警鐘のようにも受け取れるのです。