香取慎吾の演技が良いという話と、ここのところ観続けている白石和彌監督の作品と聞いて、何も疑うコトなく足が向きます。
比較的凶悪な主人公たちを描いてきた白石監督からすれば、人間的な弱さを真っ向から撮っているように感じます。理想と現実の自分に行き詰まり続けている主人公、郁男の心の弱さが彼自身を追い詰める負のスパイラル。そこから再生を描くという、ありがちではあるけれども白石監督らしい脇のキャラクターたちを受けての香取慎吾の演技が冴えていると思います。
引っ越しをキッカケに郁男が再生を始めるもそこに訪れる喪失、そしてそこから再生しようともがく姿を、宮城県石巻市を舞台に描かれているのも深みが凄いですね。白石監督の震災以降、再生しきれていない東北への想い、日本政府に対する想いが色濃くでている出ているように思います。先日の『麻雀放浪記2020』も東京五輪中止から始まりますしね。