最近、またジャッキー・チェンが作品を多く撮影し公開していて、観に行こうと思いつつも都合が合わずに観る機会に恵まれませんでした。しかしながら、今作のように彼らしいアクション・エンターテイメントとは一線を画するシリアスなサスペンスものと知っては優先順位を上げざるを得ません。

きっかけは『新宿インシデント』と『1911』で、前者は在日中国人たちの戦いを描き、後者は辛亥革命の作品です。どちらもアクションはあるのですが、どちらかと言うとシリアスな内容に合わせてジャッキーの積み重ねてきたキャリアの演技力が抜群に出ているところだと思います。ジャッキー・チェンの映画というと、コメディタッチの会話回しと軽快なアクションというエンターテイメントを思い浮かべることでしょう。私もやはりその手の作品が好きで観て育ったものですが、この2作はそれとは違う、寡黙で言葉少なくも一つひとつの重さがありジャッキー・チェンの怖さのようなものを感じる内容です。

それと比較すると、更にそこを推し進めて、彼の経歴とのギャップもありますが、演技力の高さを素晴らしく感じる内容だと思います。ストーリーも中国からの移民であるという彼は娘がテロの被害に遭い、イギリスとアイルランドの民族問題とが絡み合って政治的かつ個人的な想いの強さが、彼の演技力ですごく良く現れていると思います。作品全体としてサスペンス映画としてのエンターテイメント性が高く、単純に面白いと感じる出来です。