ヒーローもののアクション映画というよりも、少し前に流行っていたサスペンス・アクション映画という印象が強かったです。記憶を失ったヴァースが事件とともに自らの記憶を取り戻す、といったボーン・シリーズのような展開に、キャプテン・マーベルというヒーローものとがオーバーラップしてくる感じ。なので、ヒーローとしてのアクション、ヴィランとの戦いが映像的な主軸ではなく、マーベル誕生の物語を深く掘っていった作りになっています。
4月に公開になる『アベンジャーズ/エンドゲーム』に続く作品のひとつとしてでなく、とても面白い作品になっています。時代背景に潜む女性の立場の描き方も、『グリーンブック』のような人種や性差における差別もキチンと描いていることで、都合の良いヒーローものとして逃げなかったように感じています。
なによりも、マーベルコミック作品ということで、昨年末に亡くなったスタン・リーへの哀悼を感じるマーベルのクレジットに初っ端から感動してしまいます。世界中で愛されているヒーロー、ヒロインたちの生みの親。ヒッチコックのように作品の端々に顔を出していた彼の、茶目っ気のある笑顔がもう観ることが出来ないと思うと、寂しい思いです。