トム・フォードというファッション・デザイナーとしての一面を見いだせる映像美が印象的でした。内容は複雑なミステリを感じさせるモノがあるのですが、完結に捨てられた元夫の復讐を描いているだけ、と言えるところです。
しかしながら、それだけの内容でもこれだけ釘付けにする映像の美しさ、表現力の素晴らしさがあるのです。目眩のするようなオープニングから、洗練された家と使用人のいる生活。主人公のスーザンは不眠症を患っていてるという設定も夢と現実との曖昧さが、現実世界と小説の内容との曖昧さに拍車をかけ、また過去への思いなども絡まり、近代アートのなんとも筆舌しがたい思いにさせてくれます。