非常に嬉しいです。トランスジェンダーの人が悩んでいるだけの映画は作るつもりは無くて、女性として普通に恋愛をし、仕事をし、生活を営んでいる普通の女性を描きたかったんです。今まで持っていた「普通」の概念を見直すきっかけになれれば嬉しいです。

 

と、ベルリン映画祭で監督の荻上直子さんが語るように、“普通の生活”の描き方がとても良かったです。もちろん、その中にネグレクトによる少女の要素が加わってドラマが成立するワケですが、しかしながらそれは隣の家で起きているかもしれない問題ばかりで、我々が少しの観察を怠るコトで見失いがち、見誤りがちな多くのモノがあったように思います。

同じような境遇では『チョコレートドーナツ』というアメリカの作品もありますが、時代性や社会性の違いがとても大きく感じました。日本では理解度が低いのか、許容されているのか、そこの線引きはとても難しいところです。その中で日本で今作のように全国規模のシネコンなどで上映されることはとても良いコトだと思います。