【契約書・特別編】

契約書を作る前に“相手の正体”を見抜け!

〜バックグラウンドチェックがなぜ必須なのか〜

 仕事を受けるとき、「契約書の内容」を気にする人は増えています。
 しかし、それ以上に大切なのは、
“契約書を交わす相手が信頼できるか?” という視点です。

実は、トラブルの多くは
「悪い契約書」ではなく、
「悪い相手と契約した」ことが原因で起きています。

どれだけ完璧な契約書を作っても、
 

 相手が支払う気のない人物であれば未払いになり、相手が無責任なら修正指示が増え、相手が情報管理にずさんならSNSで炎上に巻き込まれます。

だからこそ、契約書作成の前に“バックグラウンドチェック”が必要なのです。

 

 ここでは、これまで触れてきたポイントを土台に、
「契約書作成の前にやるべきこと」を深掘りしていきます。

1. “契約内容”より先に見るべきは「相手の素性」

 相手をよく知らないまま仕事が始まるケースもしばしばあるものです。
ですが、次のような相手はトラブル率が非常に高いです。

  • 会社名・住所を名乗らない

  • SNSのDMだけで仕事を進めようとする

  • 請求書の宛名を教えたがらない

  • 担当者の苗字しか明かさない

  • 電話番号がない(ネットだけ)

 これでは、未払いが起きた時にどこに請求すればいいのかすら分かりません。

「未払いトラブルの多くは情報不足から起きる」
という点を思い出してください。

2. 最低限チェックすべき“相手の正体”

会社名・屋号・本名(法人か個人か)

→ 商号検索・登記情報で確認できると安心。

所在地(番地・部屋番号まで)

→ 法人なら登記住所と一致するかチェック。

電話番号・固定の連絡手段

→ 電話番号がない場合は“連絡遮断”の危険性大。

実績・口コミ・SNS歴

→ 半年以上活動しているアカウントは比較的安全。

支払元が誰か

→ 個人なのに法人名義で依頼してくる場合など要注意。
つまり、法的にも“相手の身元を明確にすること”が重要なのです。

3. 契約書を作るときに最も重要なのは「相手の性質に合わせる」こと

たとえば——

Aタイプ:誠実で丁寧な企業

→ 最低限の契約書でもOK。業務内容・報酬・著作権だけ明確にすれば十分。

Bタイプ:レスが遅い・曖昧な発言が多い相手


・修正回数
・納品形式
・著作権の扱い
・支払期日
をしっかり書き込むべきタイプ。

Cタイプ:情報が少ない・個人名だけで依頼が来る相手

→ 契約書よりもまずバックグラウンドチェックが必須
必要なら受注を断る判断も重要。

4. “相手の性質×契約書の内容”がトラブル回避の核心

指示命令が強い相手ほど、「本当にその契約の関係で問題ないのか?」という視点が必要になります。

つまり、契約書と相手の性質がセットで成り立つことを注意しておくことが重要です。

5. バックグラウンドチェックを怠ると起きる最悪の事態

  • 報酬未払い

  • 個人情報の悪用

  • 実績公開の無断利用

  • SNSでの晒し

これらは、どれもよくある「現実のトラブル」です。

まとめ

契約書は「盾」だが、相手の選別は「鎧」です。
盾だけでは身を守れませんが、鎧があれば被害そのものを最初から避けることができます。

事業を問題なく継続していくためには、契約書を書く前に必ずやるべきはただひとつ。

「相手の正体を知る」こと。

これが、あなたの安全と信用を守る一番の方法です。