8/11blue chee'sワンマンライヴ2012夏~決断の物語~ | 東京日記(未完)

東京日記(未完)

音楽、文学、酒やあれこれを無軌道、無造作に。

この日を迎えるに当たって、6月中旬に起きた出来事を振り返らなければならない。


¨このワンマンをもって、ボーカルのジェシカ(松本江里子)は脱退する¨との発表。



寝耳に水のこの出来事に困惑し、狼狽するも、その直後に発表されたアイドル横丁とTIFの出演に、さらに戸惑ってしまった。一体、バンドはどんな状況なんだろう!?メインボーカルが脱退を発表したすぐそのあとから活動が活性化するなんて。




やがて明らかになっていく情報。どうやら横丁にもTIFにもジェシカは出演しないようだ。



メインボーカルが不在の状況下での2つのイベント。何とその穴を埋めたのは、チェキッ娘の絆だった。

アイドル横丁へは行けなかったものの、前記事にて記したTIFでは、その絆に感動し、3年前の再会ライヴを思い出す程までに狂熱したものであった。


それだけにジェシカとblue chee'sの¨今¨に思いを巡らせてしまう。




そして迎えた当日。8月11日、土曜日であった。



P氏の当日券を何としてもゲットしようと早めに合流するも、これが実際には先走り過ぎたようでねあせる結局オープン時間にならないと売り出されないようで、我々は某激安居酒屋で少々のエナジーを注入することに…そんなプロローグでした。



それでもオープン時間よりもやや食い気味に会場であるCLUB GOODMANへと再び足を運ぶ我々。まぁ、それ程までにP氏が当日券を手に入れられるかが重要だった訳です。当日券をゲット出来ず、ガックリと肩を落としながら一人駅へと歩きだすヲ友達の背中を見送るなんて切な過ぎるでしょ(笑)



D氏やI氏も再び合流し、段々とオープン時間も迫り、いつもお見受けする方々の姿も集まりだし、アニモちゃんも外に出て来てくれたり、ジェシカさんへの寄せ書きにメッセージを書かせて頂けたり(Mさんありがとう音符)



どうやら当日券の数にも余裕があるようだし、これでひと安心。無事に開場の流れと相成りました。





いざ、ライヴスタートビックリマーク



いつもの映像と共に、ぶるちメンバーの心のメトロノームもシンクロしはじめ、同時に大多数のアラサーのふくらはぎも限界を迎えつつ(笑)




幕が上がり、流れたイントロは「Let's go blue chee's」だ。



瞬間、目にしたジェシカの姿に抱えていた不安など吹き飛んだビックリマークblue chee'sのライヴが始まったんだ。

そして
「This Is Not A Love Song」

ジェシカの「Clapビックリマーク」の掛け声に、待ちわびたパブロフの猿の手拍子に込めた力が増してゆく。どうか、少しでもblue chee'sの力へと変換されますように、と。


続く「ハッピースマイリー」では、ギターソロ前のキャミママの「いいママになるっビックリマーク」の中国語バージョンに高まった~。


そして、キャミママがベースからキーボードへとパートを変え「ENGINE」へ。

ジェシカが作ったこの曲、去年のクリスマスに錦糸町でやってくれたストリートライヴで初めて聴いた時から僕の心を掴んで離さない名曲。今ではイントロから歌いだしの所で涙が出そうになるくらいなんだ。でも、前のワンマンでチェキッ娘の「ありがとう」をアカペラで歌ったあとに「ENGINE」にいく流れで戸惑ったジェシカを思い出すと笑ってしまうんだな。確かにこの二つの曲のイントロは似てる(笑)



その流れで、チェキッ娘の絆を象徴するような「手帳」

アルバムの流れそのままに、何度繰り返し聴いても沁みるんだな、これは。




そして、このライヴのハイライトになっただろう、4人の「決断の物語」

プロジェクターの映像ではなく、ひとりひとりが自分の言葉で、間合いで語りかけてくれた。



まずは一番言葉を待ち望んでいたジェシカ。

歌っている時には気付かなかったが、元々小さい顔がさらに痩せこけたように見え、どういう思いでこの日を迎えたかが痛いほどに伝わって来る。


小さな溝が、いつしか修復不能なものに。それはバンドの方向性によるものか、彼女自身の問題か…。ただそれを必要以上に勘繰るのは、ナンセンスなのだろう。

ジェシカもリズも20代において、自分は一度¨死んだ¨と表現している。そこから立ち上がり、歩みだし30代をむかえた今だからこそ、それぞれの内なる声があって、それぞれの決断があるのだろう。
そこからまた前に進むことも、立ち止まることも、アラサーガールズバンドのファンである、アラサーの自分にも汲み取ることの出来ることなんじゃないかなって、ジェシカの脱退が発表された6月の中旬から、そう思っていた。

だけどそれよりも、メンバー内に生まれてしまったわだかまりも、とことん話し合い、お互いの気持ちをぶつけ合って、こうしてこの日にステージでファンを前に自分達の言葉で語れるこの関係性が何よりもすごいことなんだなって。ただただステージを見つめていた。




そして、キャミママ。

彼女の、blue chee'sを支えてあげられなくてゴメン。の一言が胸にずしりと来た。

可愛い二人の娘の母親でありながら、現在生活の基盤は台湾にある彼女。二足の草鞋どころじゃない状態でバンドを続け、大変な日々を過ごしているだろう、きっと余裕なんてないだろう彼女から出たバンドを思いやるその優しさ、強さ。何と言う包容力。

どれだけ支えてきたことだろう。自身の家族も、バンドのメンバーも、そしてファンさえも。




そしてリズの強く確かな眼差し。
blue chee's結成に際して、企画書まで作ったその情熱。その兆した方向への揺るぎない姿勢。このバンドへの強い想い。

お金が無いけど、私はバイトをしながらこのバンドを続ける。

そう聞いた時、今まで自分がとんだ思い違いをしていたことに気付いた。僕は、彼女はすでにソングライターとして生計を立てていて、リズというキャラには多少の色を付けているものだとばかり思っていたんだ。なぜならそれだけの才能があるから。

そして、自分の親友のことを思い出した。才能あるドラマーで、プロとしての仕事も経験している。今でも自身のバンドと、たくさんのサポートをしながら界隈ではその名前を知らない人はいない一目置かれるドラマー。だけど彼もまた、バイトしながらギリギリの生活をしている。

才能があって情熱もあって努力を惜しまない、それでも日の目を浴びないミュージシャンがどれだけいるだろうか!?そのこととblue chee's、とりわけ藤岡麻美という存在を切り離していたんだ。神格化していたんだ。

引き合いに出した親友とは符合しないかもしれないけれど…そんなことを思っていた。




そして声を詰まらす、アニモちゃん。



彼女が妄想したことは、現実となる。

チェキッ娘との共演、TIFへの出演、インディーズデビューetc…まさに魔法使いのような彼女。ただ、その魔法は、妄想だけじゃない。

blue chee's結成当初、キーボードにはID007の上田愛美ちゃんが入るんじゃないかって、そう思った人って結構いるんじゃないかな。僕はまさにそんな考えでいたんだけど、キーボードはオーディションでって話になって、何か知らない人が入って…ん、アネモネって何!?ってな具合になって。

だけど、ぶるちブログでたびたび更新される彼女の記事がこれまた面白くて。


AKBで田名部生来推しになってから、またヒーロー戦隊ものを見るようになったり、ガチヲタ女子の魅力に引き込まれていった僕なんですが…そこにアニモちゃんが登場したっちゅうわけで、そのガチヲタっぷりにどんどん引き込まれていって…そこから、あるカレーパンのおかげで何と自分のブログを見てくれたことがわかって、そのあとに行ったライヴから自分を認知してくれて…感激(T_T)見てるとたくさんの人の顔と名前を覚えているんだよね。

気遣い心遣いの達人。

今年1月のストリートライヴの時。もうライヴは終わってしまっていたんだけど、お話してくれてそれだけでも充分なのに、ジェシカとリズに声を掛けて「あたしの靴、あなたの靴」をアカペラで歌ってくれたことはずっと忘れないし、自分の友達にしてくれた気遣いもありがたかったし、ライヴハウスでは、そこのスタッフか!!ってくらい働いているし(笑)

そうやって築き上げてきた人脈がたびたびblue chee'sを助け、そういう姿を見て、アニモちゃんを好きな人がどんどん増えていってる。

キーボードはフレキシブルだし、歌えば広い音域に豊かな声量。ステージでガチヲタモードに入って高まった時はもう、無敵。


ホントに何者なんだ!?ホントに魔法使いなんじゃないか…いや、魔法遣い…か淏ってね。

だから余計に人のやっかみを受けやすいんだと思う。前の会社の人は、アニモちゃんが眩しかったんだと思うんだ。妬んでしまうほどに。







4人の決断の物語もそれぞれの方向へ歩み出し、これからもバンドを続ける意志を表明した3人からジェシカへ、歌のプレゼント。



タイトルは…
「メトロノーム」


リズがリコーダーでキャミママがキーボード、アニモちゃんがリードボーカルか。そしてこれまでバンドがジェシカと共に歩んで来たことが歌詞になり、3人の優しいメロディに乗せられ伝えられてゆく。

それは容易に映像となり自分の頭にも流れてゆく。やがて想像力は飛躍して、リハの風景だったり、その帰り道だったり、自分が見ていない情景まで浮かんで来て、思わず、涙。ホントにいい歌だった。



この時点でライヴはまだ半分くらいだったのかな。スペシャルゲストだってまだ出ていない。


だけどもう僕の魂は、あさっての方向へ…







「ここからまた盛り上がっていくよー音符」とジェシカ。





えー、嘘だろビックリマークと思いながら畳み掛けられた…


「エヴリデイ」


「スナップショット」


「ガラガラゲッチュ」




うん。意外といけた(笑)テンション、盛り返せたビックリマーク





掛け合いが光るこのラインナップは我々のハートを再びアツくしてくれたのです。




そして一旦幕が降りて、プロジェクターにはアイドル横丁や、初期のストリートライヴの映像が。映像の「海へ行こう」にコールが自然発生したのには何か嬉しくなりましたね。





再び幕が上がり、ステージにはジェシカ以外の3人が。


アカペラにて…

「君をのせて」

「創世のアクエリオン」


を歌い上げ、アニソンと言えば~ビックリマークと来たもんですから、あーここでか~と思いましたね。



スペシャルゲストのチェキッ娘ID002・下川みくにちゃんの登場ビックリマークアニソンの世界で活躍し、最近結婚した彼女は、たくさんの「おめでとう」に包まれる。

それにしても、こんな間近でみくを見るのは初めてに等しくてね、それでもテレビで見てた頃と空気感は変わってなくて、可愛らしかったなぁ。恐縮しっ放しのアニモちゃんをいじり倒すのも面白かったなぁ。


そういや、みくは初代chee'sのボーカルだったんだよね。MCの絡みで、トランペット吹いてたこと思い出したり。そんな流れで演奏されたのがまた胸アツな…


「everything treasure」

これ僕が見る限りでは、ぶるちで演奏するの初めてではなかろうかビックリマーク曲が出来た時のエピソードも聞けたりして、みくと利佳ちゃんで合宿して作ったってのに、みくは覚えていないと言う淏

それでも当時の彼女達が1曲作ったのってすごいと思う。いくら吉田建さんが見てくれてたって言っても、バンド組んだばかりでさ、しかも今になっても見劣り(聴き劣り!?)しない名曲だし。才能の片鱗とは、アニモちゃんも絶妙なことを言うよね。



さらに才能の片鱗、だとか名曲だとかって言ったら、次に演奏された藤岡麻美ちゃん作の…


「blue wing」だよねビックリマーク


しかもアレンジが初期のアレンジだったような。違かったかな~、記憶が補正されちゃったか定かではないけど、とにかく下川みくにちゃんを迎えてのこの2曲は貴重だったビックリマーク






そしてステージ、客席からみんなでジェシカを呼び、演奏されたのは…


「はじまり」


原曲の切ない感じもいいけど、このロックバージョンもライヴではいいっすなぁ。ぶるちタオルも大活躍ビックリマーク(埃が舞ってしまうのがたまにキズですが)

ジェシカとみくのツインでのリードボーカルも最高。



その勢いそのままに迎えたラストの曲は…





「I LOVE GIRL POP」



明るい元気な曲で、華々しくジェシカを送り出してあげよう。そんなメンバーからの暖かい気持ちが伝わってくるようでした。


実際ステージにも、客席にも笑顔が溢れていた。こうして今、振り返ってみても、こんなライヴ滅多に見れるもんじゃないな、って思える。色んな感情を経て、最後には笑顔になれるなんてね。







終演後、物販コーナーにてジェシカとお話させてもらえる機会に恵まれた。

開口一番「ステージから見えてましたよ」との彼女の言葉に胸がアツくなる。

いくら伝えても伝え足りない感謝の気持ち。そして彼女の歌声への渇望。少しはうまく伝えられただろうか。僕にとってこのやり取りもまたずっと忘れたくないものになった。





思えば3年前のチェキッ娘再会ライヴ後の握手会。やけに剥がしが厳しかったえり姉(ジェシカ)ゾーン。確かその時は1、7秒くらいしか握手出来なかったんだよなぁ。


それから半年後のバースデーライヴ、その年の夏に行われたソロライヴ。


そして同年12月にblue chee'sが結成されて…結局僕が初めてぶるちライヴに行ったのは去年9月の吉祥寺のワンマンだったんだけど…

こうして振り返ると、再会ライヴの握手会で強烈に剥がされたえり姉と一番多く握手してもらってるんだなぁ、そして一番ステージを観てきたんだなぁ、と実感。


本当に素晴らしいボーカリストだし、「ENGINE」という名曲を生み出したことは、彼女の音楽人生にとって何にも変えがたいものだと思う。




彼女がまたステージに立つその時は、絶対にその場にいたい、と強く願う。




ジェシカの…松本江里子の…そして、blue chee'sの未来よ、キラキラと輝けビックリマーク



僕は彼女達のステージをずっと、ずっと、見続けたい。







最後まで読んで頂き、ありがとうございましたm(._.)m