花粉症、アレルギー性鼻炎の増加に伴い、嗅覚の異常を訴える患者が増えている。



ニオイは、鼻の粘膜全体で感じるわけではなく、鼻腔の上方にある特殊な粘膜(嗅上皮)の嗅細胞によって感知されるというしくみになっている。ニオイのもとが鼻の最も奥にある嗅粘膜というセンサーを刺激すると、その信号が神経に伝わって脳で認識される。この経路のどこかに異常があると、ニオイが正しく感じられなくなる。



嗅細胞は、神経細胞の中でも特殊な細胞で、変性と新生を繰り返す能力を持つが、抗ガン剤などで嗅細胞の再生が障害となる、交通事故で嗅覚の神経が損傷された場合で重い障害の場合は、改善が難しくなることもある。



その他、蓄膿症(慢性副鼻腔炎)による嗅覚障害も増えている。蓄膿症の人は、甘い食べ物や飲み物を好み、早食いで暴飲暴食、胃腸の弱い人に多く見られる。現代医学では、手術やステロイド剤で対処する傾向にあるようだが、家庭でステロイド剤を使用しても、嗅細胞が存在する嗅上皮まで薬が到達しない場合が多い。また、手術をしたとしても、普段の食事を改めていかない限り再発することがある。









蓄膿症を改善するには、玄米・雑穀、根菜(大根・人参・ゴボウ・レンコン)、海藻中心とした私がすすめる玄米菜食を基本とし、甘い食べ物や清涼飲料水、ペットボトル飲料、化学調味料、食品添加物、人工甘味料は摂らないようにすること、そして、食事の際はゆっくりとよく噛んで食べる。また、食べ過ぎや間食はしないようにすること。



蓄膿症を放っておくと、失明や脳に障害が起きる恐れがある。とくに、子供の蓄膿症は早めに完治させないと、若年性痴呆症を引き起こすことになりかねない。



いつまでも鼻水や鼻づまりが続く、料理の匂いや味を感じない、やる気がでない、集中力がなくなった、腐ったような口臭を感じた時は、すぐに食生活の改善を始めるべきだ。身体は常にメッセージを送っている。