夜をこめて 麦つく音や きりぎりす
                正岡子規



    

​最近夜になるとまだ
本格的ではないですが、
虫の声が聞こえるようになりました。
そこで上の句を思い出しました。
この俳句の意味は、
まだ夜が明けていない頃の
暗いうちに麦つきの歌と
キリギリスの鳴き声が
響いている。
という意味で秋の朝方に
あったことを詠んだ俳句です。
この俳句での麦つく音や
というのは昔臼で、
精米していた時に歌っていた
仕事歌のことで、
それと一緒にキリギリスの虫の音が
聞こえてきたことが、
この俳句に詠まれていて
秋の昔の風物詩だったんだろうな
と思いました。
今ではほとんど聞くことは
有りませんが
それでも虫の音の共に、
聞こえるものにも関心を持って
聞いてみたいなと思いました。