原子炉に注水したつもりが、半分以上も別系統に漏出??そしてメルトダウン?
消防注水の100%が原子炉に届いても、既に始まっていたメルトダウン現象を止められたか?は疑問だが・・

 安全対策として各原発に消防車を配備しても、注水作業を再現しない形だけの訓練では、福島原発3号機の二の舞で、注水が原子炉に届かない事態が起きるのでは?イザという時、果たした役に立つのか?

 NHK「かぶん」ブログより
3号機に注水の半分以上漏出か
【東京電力福島第一原子力発電所の事故で、1号機に続いてメルトダウンした3号機について、当時、消防車から緊急に原子炉に向けて注入した水の半分以上が、別の装置に漏れ出し、冷却に必要な量の水が原子炉に入っていなかった可能性の高いことが、NHKが専門家と共に行った解析や実験で分かりました。

消防車による注水を巡っては、一部が原子炉以外のどこかに漏れているのではないかという指摘が専門家からあり、NHKは、独自に入手した3号機の配管の図面などを基に、専門家と共に詳しく分析しました。

その結果、消防車から原子炉までの配管ラインの途中に水の抜け道があり、ここを通って、原子炉とは別の装置に水が漏れ出る可能性のあることを見つけました。

この抜け道の先には、発電に使われた蒸気を再び水に戻す「復水器」と呼ばれる装置があり、通常はその途中にあるポンプが動いていて水がせき止められるため、復水器に水が流れ込むことはありません。

ところが、専門家の協力を得て実験すると、ポンプが止まった場合、素通りして水が先に流れることが分かり、すべての電源を失った福島の事故の際には復水器側に水が漏れ出る可能性が高いことが分かりました。

当時、3号機の復水器は通常ではあり得ない満水状態だったことが、事故直後に東京電力が行った記者会見で明らかにされていて、今回の実験結果を裏付けています。

さらに、消防注水した際の当時の3号機の水の流れを実験で再現し、その結果を基に専門家が解析すると、原子炉に入らずに漏れた量はおよそ55%に上り、この量ではメルトダウンを防げなかったという結果になりました。

一方、漏れた量が25%までなら、メルトダウンは防げるという結果になっています。

消防車は、事故のあと、安全対策の要として全国の原発に配備されましたが、原子炉に確実に水が入るのか、事故から2年になる今も十分な検証が進んでいない実態が浮かび上がりました。

法政大学の宮野廣客員教授は、「消防車を配備すれば終わりではなく、本当に核燃料を冷やすのに十分な量の水が入るのかを確かめなければ、意味がない。事故の検証は不十分だ」と指摘しています。】一部抜粋