世界中を金融危機に陥れたリーマンショック、
史上はじめて衆人環視のもと爆発した福島原発事故。
いずれも、当事者たちがリスクを正しく想定しなかった結果の大惨事。

 原子力業界も金融業界も、
自分たちの欲のために地球を賭けた無謀な博打を打ち、
挙句メルトダウンさせた。

 そして、どちらの当事者も、何の罪悪感も抱かず、反省もせず、
地球を賭けた博打」を今も打ち続けている。

 ※ 少し古い記事ですが、非常に的を得た分析をしています。是非ご一読ください。

 マスコミに載らない海外記事より
地球を賭けた博打
【日本の大惨事と世界同時不況は、
社会がリスクを管理し損ねたことに対する、厳しい教訓だと、
この経済学者は語っている。

ジョセフ・E・スティグリッツ
2011年4月6日 "Project Syndicate"
日本における地震の影響、特に福島原子力発電所で続いている危機は、大恐慌を引き起こしたアメリカの金融崩壊を見つめていた人々の心に、気味悪く深く響いている。この二つの出来事は、リスクと、市場や社会がリスクを、いかに扱い損ねてしまうかについての厳しい教訓となっている。

もちろん、25,000人以上の方々が亡くなったり、行方不明となったりしている地震の悲劇と、そのような深刻な物理的苦難をひき起こしたわけではない金融危機は、ある意味、とうてい比較にはならない。しかし、福島の原子炉メルトダウンに関しては、二つの出来事には共通する主題がある。

原子力業界、金融業界、いずれの専門家達も、新技術が破局のリスクをほとんど解消したと請け合っていた。事態は彼等が誤っていたことを証明した。リスクは存在しているのみならず、その及ぼす影響は余りに巨大で、業界幹部連中が推進してきたシステムのあらゆる利点とされるものなど易々と消し去った。】