1990年2月、確か衆参同時選挙の前日。マナブがバドミントンの試合で上京していた。府中にあるツネノリのアパート、彼はお兄さんと二人暮らしだったが、そのおかげで少し広めの部屋だったから皆が集まるには好都合だった。高校時代の友人が3人でも集まれば当然麻雀。高知は三(人)打ちがスタンダードなので、特に困らない。4人でも四人三打ち(北家抜け)、5人でも、五人三打ちをするくらい。だから全く問題なく集まる。誰がいたかも忘れたが、とにかく5~6人いた。

朝まで打って帰ろうとしたら、「こら、どこ行きゆうぞ?」と止められる。「帰るわや」「いかんぞ、今から競馬やき」

ツネノリ兄弟は大の競馬好きで二人して中大なのだが、競馬場まで歩いて行けるここに住んでいるのだという。昼までこグダグダして、皆で競馬場へ行く。その日のメインはと府中が目黒記念、京都が京都記念だった。全くわからない私は9レースまでは皆の見学。そして、メインはすすめられるままに買う。目黒記念はマルタカタイソンから。京都記念はナイスナイスナイス、ハツシバエース、メジロマーシャスの三角買い。2レースとも当たり、そこそこの払戻金だった。元手が1万で払戻金が3万弱だったと思う。他の連中もそれなりに勝っており、ツネノリの家に向かう前に、モランボンでたらふく焼肉を食った。私はそのまま電車に乗り多摩センターへ戻る。


すっかり競馬の魅力にハマったその年のテレビCMで、前年までは気にも止めなかったJRAのCMが引っ掛かるようになった。何しろ、演者が賀来千香子と柳葉敏郎の2人。男女七人世代としてはそれだけでも気になる。そして、CMソングがどうしても欲しくてアルバムを買った。


今でも爽やかな曲。あの日の府中を思い出す。


「Live On The Turf」 沢田知可子