広島に住んでいた昭和55年は、きちんと聴けるラジオはAMだとNHKの2つを除けばRCCだけだった。無論、場所によっては入ったのかも知れないが、私の住むアパートはダメだった。RCCのラジオを日がな聴き続け、日曜日に「ニューミュージックベストテン」という番組を探し当てる。歌謡曲ではなく、フォーク、ニューミュージックに限られる。次々と「好きな」曲が見つかる。聴き始めた当初、名前しか知らなかったアーティストの曲を知る。そもそも歌を聴き始めたのが、この年だから、ガンガン新しいものを吸収する。

最初に聴いた日の1位が松山千春の「人生の空から」。

人生と書いて「たび」と読ませるセンスが小学生に完全に理解できるとは思えないが、心は震える。


それこそ人生の節目のたびに聴き、深く耳をすませば、新しい感慨に包まれる。


悲しいときも、嬉しいときも。


今も。