自宅ゲーム会466 前半 Donnerschlag | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和5年1月1日

 

 大晦日らの夜から元日にかけて、今年は初めてとなる年越しのゲーム会です。

 

 

Donnerschlag

○概要

作者:PatrickGebhardt

対象年齢:- - 

対象人数:2人

標準時間:300-450分程度

 

 第二次世界大戦の東部戦線におけるスターリングラード救出作戦いわゆる「冬の嵐作戦」をテーマにしたカードドリブンタイプのウォーゲームです。

 

①ターンごとに戦闘カードと活性化カードを補充します。戦闘カードのうち1枚は最高司令部に伏せることができ、このカードは必ず発動させることができるようになります。

②手番になると活性化カードを1枚プレイし、カードに対応するユニット群を活性化させ移動や戦闘を行います。

③戦闘は戦力比に基づきダイスによって損害を判定します。

④手札の戦闘カードは軍の活性化や戦闘といったカードに書かれたタイミングで使用できます。効果の発動に当たってはダイスによって成功判定を行わなければならないものも多くあります。

⑤活性化カードがなくなるまで交互に手番を行います。

⑥ドイツ軍はターンの最初に雷鳴作戦の発動を宣言し、三つある合流エリアのいずれかを秘密裏に選択することができます。

⑦雷鳴作戦の発動以降、各ターン終了時に雷鳴マーカーが進んでいきます。

⑧雷鳴マーカーがトラックの4(条件によってはトラックの5)に到達したとき、選択したエリアにドイツ軍ユニットがいればドイツ軍が、いなければソ連軍の勝利となります。

 

〇プレイ経過

 第6軍の脱出地点に向け突撃するドイツ軍を担当します。

 

 最初の2ターンはソ連の戦力も乏しく薄い防衛線を精強なドイツ軍で突き破り、脱出地点まで目の前というところまでたどり着きます。並走するルーマニア軍は歩兵が中心ということもあって遅れているが、ソ連軍がドイツ軍の背後に回らないように拘束してくれています。

 ちなみに、このあたりで新年となり、ここまで起きていた子どもたちや相方と新年の挨拶をしてから戦闘を再開します。

 

 合流地点を決定する雷鳴作戦の発動は最大で4ターン開始時まで待てます(作戦開始から4ターン後に合流地点にいることが勝利条件なので)が今回は現在の位置も踏まえて3ターン目に発動します。合流地点は直進すると見せかけてぎりぎりで進路変更をかけるつもりでBを選択しています。

 

 しかしながら、川を超えれば合流地点目前という状況であったので3ターン目に雷鳴宣言を行ったのですが、この辺りに来るとソ連軍が戦車を配備しているとともに、ドイツ軍のダイスが極端に低空飛行となったことも加わり、川の突破にまさかの3ターンを要しています。当然、この間にソ連も戦力を終結させており予定が大きく狂ってしまいました。

 

 さらに悪いことに、ソ連軍の諜報によって目標が近くのA地点ではないということも知られてしまい、ドイツ軍としては一心不乱にB地点へ突撃するしか選択肢がなくなってしまっています。正直4ターンでは完全に無理でしたが、雷鳴作戦の完了を1ターン延長するカードイベントにより、ソ連としても予定外の延長戦に突入することとなります。

 

 最終ターンは手札に恵まれたこともあり着実にソ連軍の壁を削りあと一歩のところまでたどり着きます。ドイツ軍としては最後にティーガー戦車(カードイベントで戦闘後前進の移動力を増やす)による戦闘後前進でぎりぎり届くという計算をしていましたが、ソ連軍の地雷によりその前進を妨害されます。これにより僅かにできた穴を塞がれてしまいゲームは終了です。新春1戦目でしたが敗北という結果に終わりました。

 

〇評価

 スターリングラードで包囲下にある第6軍の救出に向け実行された冬の嵐作戦をテーマにしたウォーゲームです。約3倍の戦力差での争いとなった本作戦において、包囲突破を目指す冬の嵐作戦と同時に都市の戦力が脱出を目指す雷鳴作戦を発動し内と外の両方からの攻勢により脱出を成功させることを企図していましたが、史実においては失敗に終わっています。本作の特徴はこの状況を再現するため、ゲームの前半から中盤までの任意のタイミングで雷鳴作戦を宣言し、3つある合流地点を秘密裏に決め雷鳴作戦発動のタイミングでその地点に到達できるかというものに勝利条件がなっているところです。ドイツ軍の進行状況やソ連軍の守りから、力づくで突破を図るか裏をかいて奇襲に賭けるのか、合流地点をどこに定めるのかの駆け引きは考えどころとなっています。ちなみに、発動のタイミングより早く到着しすぎるとソ連軍の反撃を許す可能性がありますし遅すぎると厚くなった防衛線により突破が間に合わないかもしれず、ちょうどいいタイミングを見計らうというのも重要ですね。

 また、活性化カードによる軍の活性化と、戦闘カードによるイベントの発動という2種類のカードを使用するのも特徴となっています。これらのマネジメントも悩ましいところですが、当初から司令部を中心に軍団単位で統率のとれた機動が行えるドイツ軍に対し、ソ連軍の前半は各軍団を横断するように設定されたカラーによる活性化が中心となっており戦力を集中することが難しく防衛はともかく攻撃は限定的にしか行えません。加えて、戦闘カードにおいてはドイツ軍のカードはダイス判定が不要で発動するものも多いため計画的に動くことができますが、ソ連軍はダイスの判定を求められるものが多いため不測の事態が起こりやすく、カードの効果だけなくこれらの差別化により両軍の指揮統制の違いを表現しているのはうまいところだと思います。

 大きく気になったというところはなく、プレイ時間はややかかりますがルールの負荷はそれほどではないのでプレイはしやすくなっており、ドイツ軍は合流地点をどこに決めどう迫るのか、ソ連軍はその狙いを読みどう防ぐのか、秘匿された合流地点をめぐる攻防がとても面白いタイトルになっていると思います。

 

 

 中盤に続きます。

 

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