自宅ゲーム会407 後半 ピットの戦争 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

令和4年2月27日

 

 後半も引き続きウォーゲームをプレイしていますが、今度は先日ルール確認プレイをしたばかりのこちらのタイトル。

 

☆ピットの戦争

○概要

作者:François-Stanislas Thomas

対象年齢:- -歳以上

対象人数:2人

標準時間:- -分程度

 

 フランス革命からナポレオン戦争にいたるフランスと対仏同盟との争いを描いた戦略級のウォーゲームです。

 

①ターンの開始時に増援の登場とイベントを処理します。また、ターンに応じた枚数のチットを各勢力のプールから引きます。

②チットを使用し、外交イベントや外交判定を行い中立勢力の引き込みを行います。

③生産力を消費して戦力を回復させます。

④好天インパルスとして交互に1スタックずつ行軍及び戦闘の処理を行います。好天インパルスが終わると悪天インパルスとなり、同様に手番を行います。

⑤各インパルスの後に、リーダーが率いるスタックのみ追加で行軍できるサブインパルスがあります。これらのインパルスは損耗判定を行ってから実行します。このタイミングに限りませんが、損耗補正を行う場合悪天インパルスにマイナス補正となります。

⑥移動にはダイスを振って出目や補正に応じて移動力を獲得します。好天に比べると悪天は出目にマイナス補正が発生します。

⑦戦闘が発生すると、リーダーやユニット、戦闘比などから出目の補正を行い両者がダイスを振って勝敗や損害を判定します。

⑧パスをするとそのインパルス中は手番が行えず、両者がパスをするとインパルスが終了します。

⑨全インパルスが終了するとターンが終了します。この時、敵対国の支配状況に応じて支配や降伏が発生します。

⑩3ターン単位の終了時に勝敗判定があり、条件を満たしているとその時点で勝利となります。規定のターンが経過すると、その後はフランス国内の支配状況によって勝敗が判定されます。

 

○プレイ経過

 管理人がフランス、ちいが対仏同盟軍でゲーム開始時となる1792年の様子です。

 

 ゲーム開始時はまだナポレオンが登場しておらず、フランス軍の将軍はデュムリエ将軍のみとなっていますが、対仏同盟においてもこの時点唯一の将軍はブラウンシュヴァイクで能力的には五分五分というところ。ただ、中小国も含めると軍の数は対仏同盟軍の方が多く、ブランシュヴァイクを先頭にフランスへ侵攻してくる同盟軍に対してやや劣勢ながらも何とか足止めを図っているという状況です。

 


 1793年になるとイギリスやスペイン+αが対仏同盟として参戦してくる上に、フランス国内では反乱も発生しますが、フランス軍にはオッシュ将軍が登場します。オッシュは前述の2将軍に比べると能力が高くデュムリエ将軍と交代し、膠着状態にあったプロイセンを押し戻していきます。さらに、手の空いたデュムリエ将軍は北部に送り込み乾坤一擲の攻勢でオランダを降し、そのまま将軍不在のオーストリアを蹴散らして周辺の中小国を次々に制圧すると、全体的にフランス軍の優勢に進みます。

 

 1794年。優勢に進んでいた前年とはうって変わり、この年は対仏同盟の出目が戦闘&戦闘以外でも走ります。イベントカードの効果でデュムリエ将軍は戦死、オッシュ将軍は負傷により一時退場、と中心となる将軍2人がいなくなったことで攻勢が止まり途端に不利な状況に陥ります。しかしながら、将軍が不在になるとダイス運は急に逆転し対仏同盟軍の反撃を許さず、この好機を活かさせないままターンが終了しこれでオッシュ将軍が復帰します。

 

 1795年。オーストリアに待望のカール大公が登場しますが、代わりにオッシュ将軍の前に立ちふさがっていたプロイセンのブラウンシュヴァイクが離脱となります。将軍を失い分散していたプロイセン軍へオッシュ将軍を差し向け各個撃破させそのままウィーンへ迫るとともに、北部でもフランス軍がベルリンに向けて前進しています。

 

 主力がオーストリアにいるプロイセンの守りは薄くベルリンはあっさりと陥落します。さらに、フランス軍に先立ちウィーンへ帰還しプロイセン軍とともに守りを固めていたカール大公に対して、攻め込んだオッシュ将軍が快勝しウィーンの攻略に成功します。

 

 続く1796年にはナポレオンが登場する予定なのですが、ナポレオンが登場する前にプロイセンとオーストリアが降伏し対仏同盟から一旦離脱となります。この両国は史実どおりこの先立て直して反旗を翻してくることになりますが、ここで時間がなくなりゲームを終えています。一応、この時点ではフランス軍が優勢かなという感じです。

 

○評価

 欧州全域を舞台に、フランス革命からナポレオン戦争の期間全体を扱う戦略級のウォーゲームです。ナポレオン戦争期のこの規模のゲーム自体それほど多くありませんが、フランス革命期のナポレオンが表舞台に登場する以前から扱っているというのはなかなか珍しいところだと思います。

 基本的なユニットの運用は活性化するのがエリアではなくスタック単位ではあるものの、交互に活性化する1スタックを選択し移動&戦闘をさせていくと、マップ自体もエリア制でありほぼエリアインパルスといった感じです。特徴的なのは指揮官の存在で、戦闘や行動に対する補正という数値上のボーナスもありますが、それに加えて率いることのできる軍が多くなる(戦闘においてステップが戦力となるため重要)とともに戦闘後に移動が継続できる、サブインパルスにおける追加の行軍といった運用上においても軍単独に比べて大きな優位性を持っています。このため、将軍をどのように活用していくかというのは考えどころとなっています。

 また、軍の活性化にチットは必要ありませんが、イベントや特殊アクション、外交などで必要となるチットをどの目的で使用するかというのも悩ましいところだと思います。

 一方で、100以上あるチットはイベント名のみが書かれており、その効果はルールブックを参照しなければならなりませんし、マップのエリアは狭く支配マーカーを置くスペースもとりにくいと、雑誌という制約もあると思いますがプレイアビリティはあまり良いとはいえません。ただ、今回は前回のプレイでこの難点が分かっていたため、紹介してもらったBGGのデータを元にチットのカード化をしておいたり、エリアマーカーの代用品として透明なチップを準備して望んでいたので大分プレイはしやすかったと思います。

 あと、各インパルスにおいては一旦パスをするとインパルスが終了するまで手番が行えないハードパスとなっており、両者がパスをするまでインパルスが終了しません。これだと、ユニットが多い方が後方を動かしながら時間を稼ぎ、相手が手番を行えなくなってから主力を動かすということが可能となっています。指揮官によるサブインパルスや対応行動などの予防策もありますが、単純に無駄に手番と時間を消費しがちな印象で、ソフトパス&両者連続のパスでターン終了というのでも良かったのではとも思いました。

 とまあ、色々気になる点は書いていますし、加えて今回は序盤で終わったとはいえ結構な時間をとったので完走となると規模相応にかなり時間がかかるというところはありそうですが、カード化という手間を費やした意味はあったなあと思えるくらいに面白いゲームにはなっていたと思います。

 

 

 ここで時間となり本日は終了となりました。

 

 

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