自宅ゲーム会181 後半 878:ヴァイキング 他 | とりあえず日々ボードゲーム

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日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成31年1月6日

 

 残り時間も少なくなってはきましたが、引き続きちいと2人でのゲーム会となります。

 

☆キャピタルズ

○概要

作者:ThiagoBoaventura

対象年齢:13歳以上

対象人数:2-5人

標準時間:90分程度

 

 3つの時代に渡ってさまざまな効果を持つ建物タイルを獲得し配置することで都市を発展させることを目的としたゲームです

 

①ラウンドの最初に手番順を決定します。この時手番の位置に応じた資金が必要となるのですが、前ラウンドの位置に応じた乗数がかけられるため、前ラウンドの手番が早ければ早いほどより多くの資金が必要となります。

②手番順に建物タイルを獲得し、即座に獲得したタイルを配置します。配置には「工事現場の側」「同色のタイルとは隣接」という要件があり、無視することも出来ますが、その場合得点が減点となります。

③建物の多くは即時効果を持ち、配置した時点でそれらの効果は発動します。多くのケースで都市のパラメーター(各種トラック)は変動します。

④都市の文化レベルに応じて、各プレイヤーが所持する観光客マーカーが移動します。

⑤手番順に建物タイルの発動能力を発動させることができます。この時には発電所で生み出されるエネルギーコマが必要となり、同じタイルを複数回発動するにはより多くのエネルギーが必要となります。観光客マーカーはこのときエネルギーコマの代替として使用できます。

⑥これらを繰り返し4ラウンドが経過するとひとつの時代が終わります。時代が終わる際には都市の雇用や人口のバランス、公共サービスの状況によって得点等を獲得し、新たな時代となります。

⑦3つの時代が終了するとゲームは終了で、最後に資金や文化トラック、進歩トラック、エネルギーコマの残、一部の建物から最終得点を計算し最も得点の高いプレイヤーが勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時の様子です。お互いに「市役所」と「ホテル」、画面外になりますが最初の発電所を所持してゲーム開始となります。最初の建物の間に十字の道路が配置されていますが、これが工事現場トークンで、これに隣接した四隅に建物を配置しない場合はペナルティとなります。ちなみに。四隅が全て埋まると場所を変えることが出来ます。

 

 左のボードは都市の観光や文化といったパラメーターのトラックで、建物の建設や効果の発動によって変動します。

 

 最初の時代が終了した時にはこんな状態で、管理人は観光を中心に伸ばしており、観光客(管理人の場の右上のタイルに配置されているコマ)も管理人の都市を訪問しています。

 

 この時の各種トラックはこんな感じで、概ねの要素で管理人が優位に立っています。唯一中央の人口トラックではちいが大きくリードしているものの、人口トラックは雇用とセットで得点を生み出し、雇用が不足する場合減点となる(雇用が多い場合はペナルティはなし)ため、出だしは管理人がリードといったところです。ちなみに文化トラックの黒いコマは2人プレイの時に使用する中立で、文化及び観光客の判定にのみ使用されます。

 

 時代2が終わり、3に入ったところです。ちいが「凱旋門」の効果で文化トラックを大きく伸ばしたことにより、観光客は管理人の都市からちいの都市に移っています。

 

 トラックはこんな様子で、人口と雇用、公共といった要素においては僅かに管理人が優位ながらほぼ競っている状況ですが、文化においては圧倒的にちいが優勢といったところ。

 

 そんなこんなでゲーム終了時の両者の都市はこんな感じです。最後の時代の管理人は、負けている文化を補うのではなく、文化は捨てて大きく工業化(左手前の黄色い工業系建物タイル群)の方向に舵を切りました。

 

 結果、文化や公共は後退していますが、人口や雇用においてはちいを圧倒するほど伸ばしており、ここから生み出された得点でちいを引き離し37対24で管理人の勝利となりました。

 

○評価

 ルール量、プレイ時間などからなかなか難しそうな印象もありますが、ルールの大半はパラメーターの説明やタイル効果が中心で、プレイ時間に比してすること自体は建物タイルの配置にタイル効果の発動を通して各都市のパラメーターを変動(出来るだけ向上)させていくと比較的シンプルなほぼタイル配置系ゲームです。とはいえ、各パラメーターは他プレイヤーと競うもや、他のトラックとセットで向上させなければペナルティになるものがあり、タイル効果もすべてが伸ばす方向ばかりでなく一方を伸ばすと一方が下がるというものも多く、どの要素を優先するかは難しいところです。また、タイル同士のコンボを考えた配置もしていかなければなりませんが、そもそものタイル効果以前に「同色の隣接」と「工事現場」という2つの配置要件があり、状況によっては無視をすることも必要ですが、ペナルティは小さくないため基本的には要件を守れるタイルを獲得、配置していくことも大切です。このあたりのを考えながらどのタイルを獲得しどこに配置して行いくかというのは非常に悩ましいところです。

 ちなみに、よりよいタイルを獲得するためには手番が早いほど選択肢が多いので有利といえるものの、ラウンド毎の手番を選択する際、必要となる資金にはその前ラウンドの手番に応じた乗数がかけられるというのが特徴的なところで、これにより連続して早い手番をとろうとするとかなり莫大な資金が必要となります。逆に、その前ラウンドで後手にいれば続くラウンドで先手をとったとしても乗数が低いためそれほど大きな資金が必要とならないため、タイミングを見ながらある程度先手と後手を行き来することが効率的といえ、どのタイミングでどの手番を狙うかというのは考えどころとなっています。なお、特に時代が変わるタイミングは新しい時代の強力なタイルが出てくることもありできるだけ先手を取ることができるように調整をしたいところだと思います。

 あとは、エネルギーコマの獲得できるタイミングが基本的に発電所の改良のときにしかなく、どれだけ強力な発動効果があっても必要なコストは使用のつど上昇していくため、どの発動効果にエネルギーコマを投入するかの判断も重要ですね。

 各建物タイルやボード上の情報は全てアイコンとなっているので言語依存がないのはいいのですが、その種類は多く1タイルあたりのアイコン量も多いため慣れるまで効果の把握に手間がかかるのは少し気になったかな。とはいえ、タイルを12枚獲得して配置していく中でこれらの要素を上手く取り回していくのが面白いゲームです。タイル配置系の中では見るべき要素が多いためプレイ感はかなりずっしりとしており、先般プレイした「シティオブローマ(「自宅ゲーム会178前半」を参照。)」などを軽いと感じる人にとっては挑戦のしがいがあるタイトルだと思いますし、管理人的にもこちらの方が好みですね。

 

 

☆878:ヴァイキング

○概要

作者:DavidKimmel

対象年齢:12歳以上

対象人数:2-4人

標準時間:60-120分程度

 

 北欧ヴァイキングによるイングランド侵攻をテーマに侵攻するヴァイキングと防衛するイングランドそれぞれの立場でイングランドの支配権を巡って争います。ちなみに、システム的には以前プレイした「1775:反乱(「自宅ゲーム会156 中盤」を参照。)」と基本ベースは同様です。ちなみに、「1775:反乱」がバースオブアメリカシリーズのひとつ(残りはフレンチインディアン戦争、米英戦争をテーマにしたもの)であるのに対し、こちらはバースオブヨーロッパシリーズの第1作目になるみたいなので、そのうち別の時代のものも出るかもしれませんね。

 

①担当する軍を決定しセットアップを行います。

②ターンキューブを引き、該当の軍が手番を行います。

③手番の最初に援軍をボードに配置しますが、イングランドとヴァイキング陣営で増援の取り扱いは異なり、イングランド陣営は増援都市に規定数出現しますが、ヴァイキングは侵略カードによってリーダーがユニットを率いて沿岸エリアに出現となります。また、前ラウンドで逃亡したユニットがあれば合わせて配置を行います。

④移動カードを1枚プレイし、ユニットを移動させます。手番中は手札にイベントカードがあれば使用することも出来ます。

⑤リーダーが率いるグループが先に移動と戦闘を行ってから、リーダーが存在しないグループが移動と戦闘を行います。リーダーの移動は移動中にユニットの離脱や組み入れが行え、また戦闘を行っても残った移動力の分だけ再度移動させることが出来ます。

⑥自軍のユニットがいるエリアからであれば同じ陣営に属するユニットも一緒に移動させることができます。

⑦移動の結果、2つの陣営が存在するエリアにおいては戦闘が発生します。ダイスの判定によって一方の陣営が存在しなくなるまで行われます。

⑧イングランド陣営が都市で防衛戦を行う場合は戦闘前にフュルドカードを引き、カードに応じてフュルドユニットが参戦します。フュルドユニットは戦闘時のみのユニットで戦闘が終わると自動的にストックに戻ります。

⑨各都市は何もユニットがいない状態であれば常にイングランド陣営が支配権を持ちます。ヴァイキング陣営が支配権を持つためにはユニットを配置しておく必要があります。

⑩最後に手札を3枚まで補充し手番は終了します。4つの軍が手番を行うとラウンドが終了となります。

⑪各軍のカードには移動カードの一種として1枚だけ和議カードがあります。これらはプレイされるとボードの横に並べておき5ラウンド以降のラウンドの終了時、いずれかの陣営のカードがどちらもプレイされていればゲームは終了となります。

⑩和議カードのプレイとラウンドに関係なく、都市の支配状況によって自動的に勝敗がつく場合がありますが、それ以外の場合においてはゲーム終了時に一定数より多くの都市を支配していればヴァイキング陣営が、支配していなければイングランド陣営の勝利となります。

 

○プレイ経過

 今回は2人プレイなので4つある軍のうち管理人がノース軍(黒)&狂戦士(赤)のヴァイキング陣営を、ちいが貴族(緑)&近衛(青)のイングランド陣営を担当します。ゲーム開始時のマップにはイングランドのユニットしか所期配置をされていませんが、1ラウンド目のみ必ずノース軍から手番が始まり、ヴァイキングのリーダーグスルムがノース軍17ユニット、狂戦士8ユニットという大軍を引き連れて上陸することになります。

 

 イングランド軍に比べると「逃亡(ダイスの目のひとつで戦場から逃亡し、以降の増援フェイズに再登場する)」の出目が少なく「ヒット(ユニットの除去)」の目が多いヴァイキング軍が直接戦闘においては有利となっており、また各地に分散しているイングランドに比べヴァイキングはリーダーの下に戦力が集中していることもあって、序盤は増援都市を中心に次々と陥落させていきます。ただ、イングランド側が守る都市を攻めるとフュルドユニットが登場するため、一見少ない戦力で守っているように見えても以外な抵抗を見せるケースも多く、陥落させた都市への防衛として残すことも含め徐々にグスルム直率の部隊は目減りして行きます。

 

 2ラウンド目。このラウンドにおけるヴァイキング陣営の増援は唯一リーダーではない侵略カード「増援」でユニットのみの追加となります。このカードはリーダーに比べると追加されるユニット数も多くなく侵攻は徐々に厳しくなってきます。

 

 また、増援都市の数はイングランド北部に比べて南部が多く、北部は比較的荒らしやすかったものの南部に近づくにつれイングランド軍の抵抗も激しくなってきます。

 

 2ラウンド目は何とかイングランド陣営の反撃をはじき返しはしたものの、グスルムが率いてきたユニットの消耗は大きく、次のラウンドの増援に期待といったところ。

 

 3ラウンド目。グスルムは中央部の防衛として残しつつ、新たに登場したイーヴァルをセットフォード近郊に上陸させイングランド軍の集中しているセットフォードに攻め込ませます。

 

 数に勝るイーヴァルにより勝利を収め、一時的に中部から北部に大きく勢力を広げていたものの・・・

 

 中央を守るグスルムのもとへイングランドの大軍が侵攻してきます。1ラウンドから侵略を続けてきたグスルムに余力はほとんどなく、あっさりと壊滅。これによりイングランド中部の占領地の維持がかなり難しくなります。

 

 続く4ラウンド目。新たなリーダービョルンが到着しこれを中部に送り込むことも出来たのですが、ここは南部の増援都市を押さえる方を優先させることとして、南部寄りに送り込みイーヴァルとともに攻略を開始します。ただ、イングランドも中部にいた戦力を転進させて迎撃に出たため容易に突破することは難しく、一進一退といったところ。

 

 第5ラウンドになるとイングランド唯一のリーダーアルフレッドが出現し、ヴァイキング陣営にもウッベが登場します。イングランド陣営はアルフレッドを中部に配置したため、これに対応するためここで3人のリーダーを分散したのですが、アルフレッド軍にはビョルンを向かわせかなりの損害を与えたもののとどめをさせず。イングランド南部における近衛軍最後の拠点で多くのユニットが集結していたエクセクターにはウッベを向かわせますが、イングランド陣営のダイスが走ったことによりあと一歩足りず登場したばかりのウッベ軍が壊滅。ウィンチェスターに残ったイーヴァルは他の2軍に多くのユニットを分配したため手駒に乏しく動けずといったところで、ほとんど戦果を上げることができませんでした。

 

 とはいえ、ヴァイキング陣営は2枚の和議をどちらもプレイしていたため、ここでゲームは終了となります。この時点で、勝利ラインぎりぎりの9都市を陥落させていたヴァイキング側の勝利という結果でした。

 

○評価

 概要にも書いたように基本的なシステムについては「1775:反乱」とほぼ同じであるためそちらを参考にしてもらえればと思います。とはいえ、両陣営がほぼ同じシステムで戦っていた「1775:反乱」に比べると、こちらは侵略するヴァイキング、防衛するイングランドという両陣営の立場の違いを表現するため増援の取り扱いなどが異なっており、これにより両陣営のプレイ感に違いが出ているのは面白いところです。特に、ヴァイキング陣営の増援がリーダー単位で、そのリーダーによって引き連れられたヴァイキングの大軍がイングランドを荒らして回るところなど、リーダーの能力も含めてそれっぽく再現されているのはいいところかなと。

 ただ、このことをもって「1775:反乱」より優れているというわけではなく、それぞれがテーマにあわせたプレイ感に調整されているということで、テーマも含めどちらがいいかは好みによりけりで、個人的にはどちらも面白く甲乙付け難いと思っています。ただ、せっかくさまざまなリーダーがいるので、どうせなら率いて登場するユニット数だけでなく、リーダーによる能力の違いなどがあっても良かったのかなというのはありましたね。

 

 

 ここで時間となり本日のゲーム会は終了となりました。

 

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