自宅ゲーム会154 中盤 ヘルマゴール 他 | とりあえず日々ボードゲーム

とりあえず日々ボードゲーム

日本の片隅、島根県の浜田市で日々ボードゲームにはまっている管理人が、とりあえずボードゲームについて色々と書いていく(予定)のブログです。

平成30年7月30日

 

 昼休憩を挟み午後になりますが、メンバーは変わらずちい、しょう、管理人の3人となります。

 

 

☆イマジナリウム

○概要

作者:ブルーノカタラ&FlorianSirieix

対象年齢:14歳以上

対象人数:2-5人

標準時間:90分程度

 

 独特のアートワークが特徴的ですが、内容は助手を雇って活用しながら、壊れた機械を修理しつつプロジェクトの達成を行うことで、大機械技師の第一雑用係を目指すというゲームです。

 

①手番順に確保するカードもしくは獲得する石炭(資源のひとうで、ほぼ資金)を選択しワーカーを配置します。この時のワーカーの位置によって手番順が変更となります。

②個人の作業場のカードの効果を使用します。ほとんどの場合資源の獲得ですが、他プレイヤーから資源を奪ったり、特別な効果を持つものもあります。

③ワーカーを配置した場からカードもしくは石炭を獲得します。獲得したカードは壊れているため、作業場の脇に配置します。

④個人ボード上で隣り合う2つのアクションを選択しますが、前のラウンドに選択したアクションと全く同じ2つのアクションを実行することは出来ません。アクションには「修理(カードの修理)」「分解(カードの破棄で、修理前は資源のみ、修理後のものならばより多くの資源と勝利点が獲得できる)」「整理(カードの合成)」「取引(資源の交換)」「雇用(特殊な常時効果を持つ助手の獲得)」「抽出(石炭の獲得)」と言ったものがあります。

⑤アクションの終了時にプロジェクト(目標)を達成していれば勝利点が獲得できます。

⑥全プレイヤーがアクションを行うとラウンドが終了し次のラウンドとなります。

⑦ラウンド終了時にいずれかのプレイヤーが20点を獲得していればゲームは終了です。この時各資源で所有数が最も多いプレイヤーはボーナスを受け取れ、最も多くの勝利点を獲得したプレイヤーが勝利となります。

 

○プレイ経過

 ゲーム開始時です。手前に並んでいるのが機械で、石炭を支払うことで獲得ができますが、獲得した段階では壊れており、アクションを使用して修理を行なう必要があります。

 左上にはプロジェクトタイルがあり、右上には助手カードがあります。

 

 管理人は序盤から石炭を獲得できる機械を合成し収入を増やしつつ場の機械を充実させていましたが・・・

 

 今回のプロジェクトカードの多くが防御や攻撃カードに関するものが多く、それらをあまり意識していなかった管理人としょうに対し、これらのカードを重点的に獲得していち早くプロジェクトを達成していったちいが20点に到達し勝利となりました。

 

○評価

 非常に独特なアートワークをしたゲームとなっていますが、ゲーム的には獲得した機械カードからリソースを獲得しアクションを実行して如何に早く20点を獲得するかという感じで思ったより奇をてらっていません。

 ラウンド毎に通常1枚の機械カード(もしくは石炭の入手)を獲得するのですが、このカードの獲得が手番順の選択を兼ねています。機械や助手、プロジェクトの達成などは全て早取りなので、手番順が早いということはそれだけ単純に有利となりますが、早い手番を獲得しようとすると余計に多くの石炭が必要となってきますし、そもそもその位置にあるカードが必要かということもあり、このあたりの駆け引きは考えどころになっています。

 また、獲得した機械カードはそのままでは使えず修理し作業場に配置しなければなりません。この作業場が4スペースしかないので、何を配置するかの選択は難しいところです。このスペースを効率よく扱おうとすると合成することもできますが、この合成のための機械カードの準備も4スペース内(合成前には2スペース使う)で行わなければなりません。必要がなくなったカードは売却して資源や勝利点にすることも可能なので、この作業場のカードをどう効率よくマネジメントしていくかは非常に悩ましいところです。

 あとは、6種類のアクションの選択は個人ボードに円形に配置されたアクションから隣り合う2つしか選択できず、2手番続けて2種類とも同じアクションを選択することは出来ないため、ある程度の計画性が必要となってきますね。

 一方で、アクションの選択は確かに上記の通り制限が入っているのですが、片方のアクションは連続で実行できるためその周囲を行ったりきたりしてアクションの選択が単調になるような時期があったのは気になったかな。個人ボードのギミックを活かしてもう少しアクションを色々と選ばざるを得ないような縛りがあっても良かったと思います。

 また、同一カードの合成などは大きくリソースの獲得量が増えるのですが、後半になるとリソースの用途が限られることも多くそれだけのリソースを活かしきれず結果として余剰が出易いところなど、せっかくの合成が活かしきれておらずやや調整不足に感じるところもありましたね。全体的にゲーム前半のかつかつのリソースの中で如何にシステムを活かして体勢を整えるかという部分に比べると、後半になるにつれ大雑把な感じになるのは気になるところだと思います。

 あとは、何故かある攻撃カードによる攻撃要素も、この内容にあえて必要なのかなというところも含めて好みは出そうですね。

 とまあ、気になるところはありますが作業場のカードをどうマネジメントしていくかというのはなかなか面白く、ゲームとしては普通に楽しめると思います。ただ、独特なアートワークからすると内容は思ったより普通といった印象で、あえてこのゲームをというところが弱いのは残念なところです。

 

 

☆ヘルマゴール

○概要

作者:EmanueleOrnella

対象年齢:12歳以上

対象人数:2-5人

標準時間:90-120分程度

 

 ヘルマゴールの地を舞台に、各地を行商して歩き最も多くの資金を集めることを目的としたゲームです。

 

①ラウンド毎に市場の区画に商品タイルを配置します。また、アクションタイルをめくり実行できるアクション数を決定します。

②手番順に市場の商品タイルの間にある通路もしくはタイル自体にコストを支払い商人コマを配置していきます。商人コマは隣接するタイルに影響を与え、マジョリティによってタイルの獲得権を判定します。なお、タイルによっては獲得時に商品の価格を操作するものもあります。

③通路の直線に同一プレイヤーが複数の商人コマを並べるとボーナスで資金が獲得できます。

④市場で獲得したタイルを所有し、マップへ行商に出かけアクション数だけのアクションを行います。アクションは「移動&商品の売却」「移動のみ」「商品の売却のみ」のいずれかで、移動には道に書かれたコストが必要となります。

⑤商品を売却することで、売却した街に商館を建設します。既に商館を建てている町で他プレイヤーが売却を行うとボーナスが獲得できます。

⑥道で囲まれたエリアの周囲の町全てに商館を建設することで生産拠点ボーナスとして即時の資金を受け取り、また、ゲーム終了時にはその商品の価値に応じて追加のボーナスが受け取れます。

⑦規定のラウンドを経過するとゲーム終了となります。ゲーム中に獲得した資金に加え、生産拠点、幹線道路、公爵領に応じたボーナスを獲得し、最も多くの資金を持ったプレイヤーの勝利となります。

 

○プレイ経過

 管理人が赤、ちいが黒、しょうが青でゲーム開始時の様子です。(右下においてある赤いディスクは説明用を取り忘れ)

 メインボードには中央にヘルマゴールの地図、左下に市場、右下に各商品の価値が表示されるトラックが描かれています。

 

 1ラウンド目はこんな感じでスタート地点である中央近辺から埋めて行こうとしたちいとしょうは貴族ボーナス(商品トラックの際下段で、通常の商品とは逆に後になればなるほどより多くの資金を受け取れる)を受け取ります。2人と比べ、管理人は獲得した商品の関係もあって北西のエリアを支配し生産拠点ボーナスを獲得します。

 

 2ラウンド目ですが市場の争いはこんな感じ。必要な商品は押さえ、このラウンドは北側に回りこむように行商を続けます。ちいはそのまま南下し、一人南方にネットワークを築き、北に向かったしょうは管理人と競合の様な形でネットワークー構成します。

 

 続く3ラウンド目。おそらく今回の勝敗の分け目となったラウンドで画像はラウンド終了時。

 ここまでは管理人が優勢といった状況でしたが、どうしても欲しい商品が配置したタイルの中で1タイルにしかかれておらず、そのタイルの獲得に敗れてしまいます。そのため、当初は北東に回ってそこから南下する予定にしていたのですが、商品がなくやむを得ず一気に南下(異動分大幅に資金を投入し)し南方で行商を行います。しかしながら南方は広くちいの商館が配置されており、商品を売るごとにちいが少しづつながら資金を獲得して行きます。

 

 4ラウンドが終わるとこんな感じで。やはり3ラウンド目の影響が響きそのフォローに手間がかかります。ちいは南方の制圧が完了したので北上、しょうは反対に南下してきています。

 

 そんなこんなでゲーム終了です。ゲーム終了時は、ボード右下のトラックに配置されているディスクからボーナスが受け取れますが、管理人はほとんど価値の上昇してない商品にディスクを配置しており、それほどボーナスは受け取れません。ここではちいが価値の高い「塩(商品トラック中央)」に3つのディスクを置いており、大きく稼いでいます。

 各自資金を数えると思ったより差はなかったのですが、4点差でちいがトップ、管理人が2位、しょうが3位という結果でした。やはり3ラウンドの予定外に大きく移動したのが悔やまれますね。

 

○評価

 ヘルマゴールの地で商人として栄光を集めるため、市場において商品(タイル)を獲得し、それらの商品を各地で商売をしつつ商館を建てててネットワークを構築して行くゲームです。

 マップの移動には資金(というか実際には勝敗を資金で決定するので勝利点と同意)が必要となるため、基本的には一筆書きになるように商館を配置しネットワークの構築をしていくのが望ましいのですが、ネットワークを構築するためには街で商品を売却しなければならず、そもそも売るための商品がなければどうしようもありません。そのため、メインボードの端っこで繰り広げられるタイルの争奪は実はここがメインじゃないかというくらい比重は高く、ネットワークの構築を見据えて如何に有利なタイルを獲得して行くかというのが非常に悩ましくなっています。ただ、当然狙いのタイルばかりが取れるとも限らないのでラウンドラウンドに獲得できた商品を持ち、生産拠点の確保や幹線道路に公爵領というゲーム終了時ボーナスもあるため、どのような順路で街を巡っていくかというのも重要です。

 また、商品の価格操作というのも難しいところで、価格操作が出来るタイルには1種類の商品しか描かれておらず、商品の売却に重点を置く場合あまり効率的とはいえません。しかしながら、上手く生産拠点を支配できた商品の価格を上げていくことでゲーム終了時に大きなボーナスにつながる場合もあり、これらのタイルを獲得して操作を行うかは考えどころです。ちなみに、価格操作による恩恵は生産拠点を獲得した全プレイヤーが受けるため、自分以外が有利になりそうであればあえて上げないということも必要で、このあたりの判断も大切になってきますね。

 一方で気になるのは厳密に処理すれば市場の処理や移動に意外と細かい資金のやり取りが多めなので煩雑になりやすいところがあるかな。実際に現金がマイナスになるようなケースも少ないと思われるため、もう少し処理を簡素にして手間が減るような形でもよかったような気がします。

 とはいえ、気になったのはこれくらいで、商品の獲得やネットワークの構築それぞれに駆け引きがあり面白いゲームだと思います。

 

 

 後半に続きます。

 

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