平成29年7月25日
昼休憩を挟んで午後から再開です。
☆ダイスフォージ
○概要
作者:RegisBonnesse
対象年齢:10歳以上
対象人数:2-4人
標準時間:45分程度
英雄となり、リソースを集めて強化や魔物退治をしたりしながら最も多くの栄誉ポイントを集めることを目的としたゲームです。まあ、そこだけ聞くと普通だなあと思うのですが、リソースの収集にダイスを使用しますが、ダイスの面を付け替えてカスタマイズできるところが特徴になっています。
①手番の始め、手番プレイヤーも含め全メンバーが2個のダイスを振り、それぞれが出目に応じた効果(ほとんどはリソース)を受け取ります。
②手番プレイヤーは「リソースを消費してダイスフェイスの獲得」か「リソースを消費して英雄の偉業カードの獲得」のいずれかのアクションを実行します。
③獲得したダイスフェイスは、直ちに自分の2個のダイスのいずれかの面と取り替えます。
④英雄の偉業カードは、そのカードがあるマスに自分のコマを移動させ、そのカードを獲得します。全てのカードには名声点が記載されており、また多くのカードには特殊効果も記載されています。効果は即時のものや継続のものがありますが、必要に応じて処理します。
⑤既に他プレイヤーのコマがある場所のカードの獲得をする場合、そのコマを押しのける必要があります。この時、押しのけられたプレイヤーはダイスを2個振り出目の効果を受け取ります。
⑥太陽のリソースを支払うことで、手番中に2回目のアクションの実行をすることが出来ます。
⑥全てのプレイヤーが手番を行うとラウンドが終了となり、これをプレイ人数に応じたラウンド繰り返すとゲーム終了です。ゲーム終了時、ダイスによって獲得した名声点に偉業カードのものを加え、最も名声点を獲得しているプレイヤーの勝利です。
○プレイ経過
ゲーム開始時の様子ですが、赤のコマが動いているのはルール説明のためです。
左の箱に入っているのがダイスフェイスで、必要なリソースを支払いここからフェイスを獲得します。その隣(中央)にあるのが、メインボードで英雄の偉業カードが配置されています。
また、手前にあるのが個人ボードで、こちらではプレイヤーのリソースや名声点の管理を行いますし、その横にあるのがダイスで、初期のフェイスは全プレイヤー共通です。
序盤は、どのプレイヤーもフェイスに差がなく、12面中9面が1ゴールド(フェイスの獲得に必要なリソース)ということもあり、まずはフェイスの強化からはじめます。
そして、徐々に「太陽」「月」(偉業の達成に必要なリソース)が集まってくると、偉業の方にも手を出します。
終盤に入った辺りですが、ちいとくまが最も名声点の高い偉業カードを入手したのに対し、管理人は何故か(若干ゴールド偏重のフェイス構成にしていたとはいえ)ゴールドの出目が非常によく、獲得に必要なリソースが集まる前にゲームが終了します。
最終結果はこんな感じで、ちいとくまは僅か3点という僅差でしたがくまが逃げ切り1位、ちいが2位という結果でした。管理人はただ一人100点を越えられず、80点台と2人に差をつけられて3位です。
○評価
コンポーネントが非常に豪華なゲームで、一見すると重たそうな印象にも見えますが、基本的にはダイスの出目に応じたリソースの獲得、手に入れたりソースで強化&名声点と、シンプルと言えるくらい分かりやすく、また1ゲーム辺りのゲーム時間もスピーディーになっています。ちなみに、コンポーネントは収納性も良く考えてあり好印象。
さて、ゲーム内容だけ聞くと普通のゲームですが、やはり特徴はダイスをカスタマイズできるというところでしょうか。リソースの収集に使われるこのダイスは、始めは効率の悪いフェイスばかりですが、これらをふってリソースを集めるとより効率的なフェイスを購入し交換することが出来ます。かならずしも交換した目が出るとは限りませんが、徐々にいい目になっていくダイスは振る際にわくわくしていい感じです。
また、通常ゲーム序盤はフェイスの強化に使うゴールドが、後半になるにつれ偉業達成に必要な太陽と月が多く必要になってくるといった印象で、必要になるリソースの変化に対して、どんなバランスのリソースを強化するかというのは結構難しいところです。あとは、ダイスが2個あるというのもどちらかのダイスを重点的に強化するのか、平均的に強化していくのか考えどころになっており、フェイスの構成をどうしていくかというのは悩ましいですね。
偉業の達成についても、各偉業ごとにボーナスとなる効果は異なり、名声点を優先するのかアクション効果を優先するのかは考えるところですね。慣れてくると上級のカードがあり、ゲームに変化を与えられるのもいいところかな。
一方で気になるところは、概ね予想は出来るかもしれませんがフェイスの付け替えが微妙に手間です。ダイスを振るというアクション上、フェイスはしっかりとはめる必要がありますが、その分取るときに取りづらく、力を入れすぎてどこかに飛んで言ったりということもゲーム中起きましたね。他プレイヤーの手番でもダイスは振るため、この付け替え作業分他のプレイヤーに待ってもらわざるを得ず、せっかくテンポのいいゲームなのですが、ここでつまづいてしまうのはもう少し考えて欲しかったかな。ただ、ダイスのフェイスを変えず、個人ボードで出目を管理するようなゲームにすることも出来たとも思いますが、自分でカスタマイズをしたダイスを振るというのはそれはそれで楽しいので、そちらが良かったかは微妙ですけど。
あとは、どれだけフェイスを強化したとしてもまあダイスゲームなわけでダイス運というのは常にありますね。
とりあえず、ルールを聞けばダイスカスタマイズの一点以外、内容としてはわりとありきたり感もなくはないです。ただ、ダイスの付け替えの手間というのが気になるところですが、それ以外のゲームのテンポは非常によく、自分で考えた構成のダイスに一喜一憂しながら手軽に楽しめるゲームとして面白いと思います。
☆アドレナリン
○概要
作者:FilipNedek
対象年齢:12歳以上
対象人数:3-5人
標準時間:60分程度
未来の闘技場で武器を使って撃ちあい、勝利を目指すゲームです。FPS(ファーストパーソンシューティング、テレビゲームの一人称視点で銃器等を撃ち合う系のゲーム)をボードゲームで再現した(らしい)というゲームです。
①ゲームスタート時、パワーアップカードを引き、その色で示されたスタートポイントから開始となります。ちなみにパワーアップカードは、スタート(再開)ポイントの決定、特殊効果、リソースの代替という3つの使い道があります。
②手番になると、「3エリアの移動」「1エリア移動するか移動せずに武器やリソースの獲得」「相手を撃つ」の3つのアクションのいずれかを2回実行します。
③相手への射撃は手札の武器カードを使用して行います。武器カードは色々な種類がありますがカードをプレイすると、条件にあったプレイヤーにダメージマーカーを与えます。使用した武器は手番の最後にリソースを支払うことで手札に戻ります。
④一定のダメージを超えるとアクションにボーナスがつきますが、ライフがなくなったプレイヤーはスカルを受け取り死亡となります。死亡したプレイヤーに与えたダメージマーカーの数に応じて、1位と2位が得点を獲得します。死亡したプレイヤーは、手番プレイヤーの行動終了後に復帰しますが、死亡するつど次に倒されたときに入手できる得点が少なくなります。
⑤スカルが全てなくなれば、1ターンだけ最後の奮戦(アクションの変更、死亡時の得点の変更)が行われてゲーム完了です。ゲーム中に入手した得点と、多くのプレイヤーを死亡させたプレイヤーの1位と2位に得点がはいり、それらの得点の合計が最も対価プレイヤーの勝利となります。
○プレイ経過
ゲーム開始時はこんな感じです。スタートポイントでは武器が拾え、最初は武器がない状態からのスタートとなるため各自が武器を集めます。管理人は紫、くまが青、ちいが黄です。ちなみに、通常だとスカルは8個(いずれかのプレイヤーが8回ダウンすればゲーム終了)ですが、初プレイは5個でお勧めされており、その通りの設定でプレイを開始しています。
管理人は一人離れたところからスタートのため、遠隔中心の武器、くまはプラズマガンのような近距離武器、ちいはスレッジハンマーのような近接武器といったセレクトです。
ちいとくまが微妙に砲火を交えつつ位置取りを気にしながら動きます。その一方で、管理人は「熱源追尾ミサイル(視界外の敵にダメージ、視界内の敵は対象に出来ません)」を獲得し遠距離から一方的に撃ちこみを狙います。
しかしながら、ちいがパワーアップカードのワープ(好きなエリアに移動)を使用して、管理人のエリアに移動し、「スレッジハンマー」で殴りかかってきたため、遠距離中心の管理人としては逃げの一手。瀕死で何とか距離を離しますが、そこをくまに狙い撃たれあえなくダウンとなります。しかも、くまはこの直後にちいも倒し、ダブルキルボーナスの達成を行います。
この後、復活した管理人とちいの集中砲火でくまも倒れ、再び初期配置と同じような状況になります。
そして歴史は繰り返すではないですが、遠距離かなミサイルを撃ち込む管理人対し、再びちいがワープで懐に飛び込んできます。
しかしながら、今回は管理人もただでは済まさずパワーアップカードでマーク(武器やパワーアップカードの効果の一種で、次の攻撃のダメージが増えるダメージ予約のようなもの)をつけておき、続く手番でちいを倒します。
最後は、管理人のミサイルで弱ったくまをちいが殴り倒し、5つのスカルが分配されたところで最終ラウンドとなります。この時点で、2回目のダウンをしていない管理人は瀕死、残り2人はダメージ0という状況でした。
そうなると狙われるのは管理人。この狭いマップ上では逃げ切ることも出来ず、撃たれてダウンとなったところでゲーム終了です。
結果は、序盤からファーストショット(最初にダメージを与えたプレイヤーへのボーナス)、ダブルキル、などのボーナスでコンスタントに得点を稼いだくまが1位。遠距離の管理人と近接のちいは接戦でしたが、僅かにちいが上回り管理人は3位という結果でした。ちいのワープのせいで遠距離攻撃を活かしきれず、一発あたりは強かったものの手数が出なかったのが敗因でしょうか。
○評価
手持ちの武器、位置取りを考えながら弾薬というリソースを上手く管理して、他プレイヤーに積極的にダメージを与えていくゲームです。面白いのは数ある武器の使い方と、各プレイヤーへのダメージをマジョリティの要素としたところでしょうか。
ダメージを与えるためには武器が必要となりますが、遠距離武器、近接武器などある程度のカテゴリーには分けられるものの、全ての武器がユニークでそれぞれの効果が異なっており、その中から3つまでという制限の中でどれを選択するかが重要ですね。ちなみに、武器は弾薬を補充しないと再使用できず、さらに多くの武器は追加の弾薬を支払うことで効果をアップさせることもできますが、弾切れをさけ間断なく攻撃するためにはしっかりとしたリソースマネジメントも必要になってきます。
また、必ずしも倒すことにこだわらなくても、1位を取れるだけのダメージを与えたら別の対象に向かったり、2位をとるために一撃離脱で少しダメージを与えたりと、各プレイヤーへ与えたダメージ量によって順位をつけ得点を受け取る仕組みになっているので、この辺が悩みどころになっていますね。とはいえ、ダウンさせることや、ファーストショットなどもボーナスで得点となるので、誰にどれだけ攻撃をするかというのは結構考えます。あと、こういうゲームだと個人への集中攻撃が気になるところですが、倒されれば倒されただけそのプレイヤーへの攻撃は得点効率が悪くなるため、システムで一定の対策がとってあるのはいいところかな。
一方いいところで褒めた全ての武器がユニーク&武器の数のところについては、反対に気になるところでもあり、それぞれの武器にはアイコンで効果が書いてありますが、慣れるまではこれだけで効果を判別するのは難しいです。そのため、武器を獲得したり使おうとするつどサマリーが必須となり、ゲームのテンポが落ちるのは気になりましたね。また、弾薬タイルなども良く拾われますが、そのつど手番の最後に補充となっていて、ここも少し手間というか忘れそうになる感じでした。
あと、武器ごとの効果は結構違いがあるのですが、ダメージは概ね2~3の範囲で差が少ないです。TVゲームのFPSだとロケットランチャーなど使いにくく装填に手間の掛かる武器などは下手したら一撃必殺みたいな効果になっているものもあり、さすがにそれはボードゲームとしていきすぎかもしれませんが、テーマがテーマなのでもう少しハチャメチャ感があっても良かったのかなと。思った以上にバランスをとってまとまっているという印象でしたね。ついでに、スナイパーライフルなどの遠距離武器好きとしては、もう少しマップが広くても良かったかなと。
とまあ、武器効果の分かり難さからくる慣れるまでのテンポの悪さはもう少し何とかしてもらいたかったところですが、全体的に各プレイヤーに対するダメージでマジョリティをするというシステムはテーマとあった感じでよく出来ており、面白いゲームだと思います。最後に、ゲームの評価とは別としてFPSをボードゲームで再現したといううたい文句はどうなんでしょう、個人的にはそれほどFPSっぽさは感じなかったかな。
残りは後半に続きます。